高校入試

@tamagobo-ro

第1話

 『高校入試』

 かこ(中三)。受験期真っ只中。

かこには幼なじみのはやてがいる。はやても同じく受験期真っ只中。二人は、幼なじみ。だからこそ伝えることが出来ないこともあった…。

 『ねね!かこはどこの高校受けるの?』

 『うちはね〜ラブ学園受けようと思ってるんだよね〜ま、見ての通り馬鹿だから入れるかわかんないんだけどね笑』

 『え!かこもラブ学園なの?![#「?!」は縦中横]俺も同じだよ笑』

 まさか高校まで同じになるとはね思ってもなかった。だからとってもビックリだったよ。

 かことはやては生まれた時からの幼なじみ。幼稚園も小学校も中学校も全部一緒。お出かけするって言ったら、必ずと言っていいほど二人で一緒にいく程だった。かこは、恋愛なんてしたことがない。常にはやてがそばにいて、泣いた時も悩んでいた時でもすぐ助けてくれていたからだ。だから恋なんて言葉も知らなかった。はやてはと言うと、実はずっとかこに片思い状態。好きだけど幼なじみだからこそ告白の勇気が持てなかった。だって、これで振られたらこれからどんな関係になるの?って考えると不安じゃん? 笑。

 

 『おっはよ!』

かこは朝から元気。登校も一緒。はやては朝が苦手で、かこのテンションについて行くのも精一杯。まぁでも小さい時からかこは毎日こんなテンションだからそろそろ慣れてきた笑。毎朝この『おっはよ!』のおかげで目がぱっちりになる。幼稚園生の時もそうだった。眠そうにしながら親に送って貰って、かこと朝あった時の、『おっはよ!』で目が覚めて、ようやく親と離れ離れの時間を過ごすことを自覚する。今考えれば凄いもんだ。そんな元気なかこに惹かれていく部分があったんだよな…。

今ではもう好きじゃなく大好きになってしまっていた…。

 高校入試前日。

 やはりかこの『おっはよ!』

から朝が始まる。はやては心の中でずっと思っていたことがある。それは、《同じ高校に入学できたら告白しよう。》ということ。どうしても同じ高校になりたかったはやては神社に行って二人分のお守りを買った。そして前日にかこに渡した。これはおそろいだった。だから、かこがニコニコしながらカバンに着けてる姿を見て、はやてはとても嬉しかった。その場ではやてもカバンにお守りをつけた。かこは、おそろいということには気づいていないようだった。とても喜んでいつも以上にテンションが高くて、赤信号も渡ろうとしていたほどだった。危うくそのまま渡らせるところだったけど、気づいて止められたから良かった。かこは一度テンションが上がるとなかなか下がらない。それがいい所でもあり、危険なところでもある。赤信号渡ろうとしたりすることなんか今まで何度もあったからだ笑。前日なのにそんなウキウキでよくいれるなと思いつつ、お揃いが嬉しかった。だから、はやても少しテンションが上がり笑顔だった。教室に入った瞬間。いつもとは違う空気がそこにはあった。緊張感がすごくあった。みんないつも以上に真面目に授業を受けそして、質問もしていた。はやてとかこは隣同士の席だ。だから、かこがわからないところがあっても先生じゃなくはやてに聞いていた。だから、かこは先生にみんなが質問していることに少しビックリしていた。そんなかこの顔も可愛かった。まぁ、こんな空気感の中でもかこはやはりはやてに聞いていた。

そんなこんなで学校が終わった。放課後の教室のざわつきもいつも以上にあった。

 みんなそれぞれに

『明日だ〜』

『俺無理だよ笑』

『それな!うちも無理』

 みんなそんなことばっかり言っていた。でもやっぱりかこは違う。はやてに向かって

『ね!明日だね!頑張ろうね。せっかく同じ学校選んだんだからお互い合格するぞ〜』

すっごいポジティブ。

はやても

『お、おう!頑張るぞ!』

『あ!お守り外すなよ…(照れ)』

 はやてが照れていることに、かこは気づく気配ゼロ。まぁいつもの事だ。だから、はやてもいつも通り流した。

 

 受験当日

 『おっはよ!』

同じ電車に乗ってラブ学園まで最後の勉強。もし落ちたらと考えると、不安でたまらなかった。何度も何度も同じところを繰り返し見直し。最後まで諦めない。二人でひとつのワークを見直した。はやてはもう見直しどころではない。同じワークをし一緒に見ていることにドキドキしすぎて何も頭に入らなかった。前日の夜に勉強していてよかったとはやては思った。かこは何も思わず普通にワークを見ている。やっぱり、はやての片想い。鈍感なかこには伝わらない。この思い。入学できたら伝えてやる!その気持ちでラブ学園の入試を受ける決意をした。

 『まもなくラブ学園。ラブ学園。列車の左側から降りてください。』

すごく緊張してきた。ラブ学園に着いてしまった。かこは笑顔。はやては緊張でガクガク。かこが背中を押し教室まで連れていった。受験教室でも隣の席だった。はやてはもう運命だと思っていた。もう眠さなんかこれっぽっちもない。受かる気がしない!そう心に訴えて受験を終わらせた。

 受験が終わって、帰る電車の中かこははやてに聞いた。

『好きな人いる?』

 何も知らないかこはのほほんとしていたがはやての心臓はバクバク。かこだなんて伝えられない…。だから、

『い、いるけど…でも教えないからな!』

そう強がってしまった。そのあとかこが、

『うちも好きな人出来たんだよね〜』

って…。はやては俺の片想いはここまでだったかとガックリ…。気持ちを伝えればよかったと、ひとり心の中で泣いていた。でもかこは好きな人が誰かは教えてくれなかった。


 合格者発表 

 かこは、(2915番)

 はやては(2916番)

番号の書いてある紙を見ていった。2000…2900そろそろうちらの番号だよね…。二人ともいつも以上に心臓がバクバクしていた。2910番、2913番、2914番、2900…

 え!まさか?![#「?!」は縦中横]

 それがなんと2915.16番二人とも合格だった。二人はハイタッチしてハグをして喜んだ。すごくすごく嬉しかった。そのあと、かこが口を開いた。はやては、何を言われるのかまさか好きな人のことを言われるのかとドキドキしていたしていた。かこが言ったことは、

『ほんとに嬉しい!はやてと一緒だ ニコッ』

はやてが思っていたこととは違う答えだった。まぁそうだよね。まさかかこが俺のこと好きになるんでありえないよね…。そう思っていた。合格が決まってから乗った電車の中でまた恋愛の話になった。はやてが、

 『そーいえば、過去の好きな人って誰?』

そう聞いた。すごくドキドキしていたけれど。かこは、照れくさそうに

 『それは教えない』

と…。はやてはがっかり。教えてくれると思っていたからテンションが下がってしまった。それなのにかこはずっとテンションが高い。なんでなのかは分からないけれど…。

 

 高校入学当日

 はやては告白するために髪型をキリッと決めてカッコをつけた。告白が成功することを祈りながら…。

 『おっはよ!』

かこの明るい挨拶。いつもよりもドキドキしながらその言葉を聞いた。

 入学式が終わって、帰る時。

かこが、

 『はやて!ちょっと待って…。』

と照れくさそうに。はやては何を言われるかとドキドキしながら過去の方を振り返った。

『あのね。私の好きな人って、はやてなの…。そう。私は、はやてを大好きになったの』

そんなことを言われると思っていなかったはやては、心臓がとび出そうなくらいバクバクしていた。

『もし良かったら、かこと付き合ってくれない?』 

そうはやてに聞いた。はやては、すぐに返事をした。

『お、おいお前俺のセリフとりあがったな(照れ)おれは、かこが俺をすきになる前からずっと好きだったんだ。この入学式が終わってから俺から告白しようと思ってたんだ。』

そう伝えた。そしたらかこは嬉しそうにニコニコと喜んでいた。

はやては、

 『かこ。俺と付き合ってください!』

そうストレートに聞いた。かこは今までにないくらいテンションがあがっていたことに気づいた。そして、

 『うん!もちろん。大好きはやて♡』


 

 そこから、喧嘩もありつつみんなに応援されるいいカップルとなりました。今はもう三年生。もう、

『まもなくラブ学園。ラブ学園。列車の左側から降りてください』

と言われても緊張することなんかこれっぽっちもない。毎日が楽しく手を繋いでラブ学園へ。

 

 

 これから先はどんな未来が待っているのでしょう…。きっと幸せな家庭を築いていくことでしょう。

 

 長い時間、この物語に付き合って頂きありがとうございました。楽しんで頂けましたか?是非感想聞かせてください。

 

 受験生へ

 きっと今は、高校選びでとてもストレスが溜まる時期だと思います。どんなことにも敏感になり、勉強をしてもしてもしんぱいになりますよね。でも心配しすぎも良くない!たまには息抜きしながらあと少し頑張ってください。

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