◇140◇マジックアイテムの価値

 ふう。出来た。

 ルイユに付けるマジックアイテム。二人と効果が一緒だといいな。自分で確認出来ないのが困るところだ。でもまあ、ジーンとリリンが同じ効果なんだからきっと、今回も一緒に違いない。


 さて次は、テキストで色々確認と。

 机があるとやっぱりいいな。

 付属していた地図とテキストの薬草を比べて、毒などを見て印をつけておくことにした。

 高いペンを買ったんだから活用しないとね。


 それから森への準備も載っているようなので確認しておく事にした。

 最後の方のページだ。


 森の奥に行くのならば、寝袋は必ず必要って書いてある。

 水と食べ物も多めに持って行く事か……。

 僕、まったく用意してなかった。寝袋は、まあいいとして、水と食べ物は必要だよね。

 後は、雨具。防水の外套など。

 どうせだからと防水のを買ったからこれはクリアと。

 後は、毒消し薬や傷薬。または、調合の道具。

 イラーノと一緒に行動しないから傷薬も必要かな。調合の道具ってどんななんだろう?

 薬剤師になろうと思ったのって、冒険者になってからだから知らないんだよね。

 うーん。アイテム屋に行って、色々見てから森に行くかな。

 僕は、片付けてアイテム屋に向かう事にする。




 アイテム屋には、寝袋も売っていた。

 値段を見てびっくり。5万もする。マジックアイテムらしく軽量で防水加工。小さくなる専用袋付き。驚くほど小さくなって、これまたびっくり。腰にぶら下げられる大きさで、この収納だとこの値段はなっとくかも。

 調合の道具も売っていた。簡易セットで2万。思ったより高い。これは、別にマジックアイテムではないのになぁ。

 ちゃんとした物を買おうと思ったらもっとかかる。

 うーん。僕の場合は、作る時間とか考えたら採取だけして売った方が儲かる?

 後で、調べてみよう。


 って、これ!

 イラーノが持っていたろ過するマジックアイテムも売っていた。

 高い! 20万する。いや、装置自体は1万ほどで中に入れる石が20万!

 セットになっているのは、セット価格で20万。つまり最初は、装置がおまけって事だよね。

 この装置の方は別にマジックアイテムではないって事か。

 ロドリゴさんって、随分高価な物をイラーノに買い与えていたんだ。


 マドラーユさんが、僕の分も払うだけお金があるはずだ。マジックアイテムは、どれも高い!

 あぁ、僕が作るのも売れればなぁ。お金持ちになるのに……。効果がわからないんじゃ売れないよね。

 いやその前に、モンスターの言葉がわかるようになる帽子とかなんて、売れないか。はぁ……。


 うーん。アイテム屋には薬が置いてないみたいだ。

 なので僕は、アイテム屋を出て薬屋がないか探した。

 少し行くと、薬屋があったので、入ってみる。


 「ポーション5つ」


 「はい。毎度」


 入って直ぐにそんな会話が聞こえた。

 ポーションって確か、飲む傷薬だよね。ヒールみたいに飲むだけで傷が癒えるやつだ。

 さっきテキストで見た時に、載っていた。

 ポーションは、マジックアイテムで錬金術で作る薬だと。即効性がありハイポーションだと、瀕死状態でも回復するとか。


 傷薬と値段を比べてみると一桁違う! ハイポーションだと10万もする……。瀕死を回復するんだから高いよね。


 「あの、傷薬を2つ下さい」


 「はい。200zとね」


 僕は、装置に手を通す。

 お会計が終わり僕は薬屋を出た。

 後は、食料だよね。

 見て回ったけどそれらしい店がない。

 でも絶対必要なはずだからあると思うんだけど……。


 仕方がない。まずはジーン達の所に行って、ルイユに付けて来るかな。

 僕は、ジーン達が待つ森へと向かった。




 やっと、森についた。何か体痛いのにあちこち歩き回ったせいか、へとへとだ。


 「ジーン」


 呼ぶと暫くして三人は、駆け寄って来た。


 『遅いわ』


 リリンが不満を述べる。


 「ごめんごめん。色々忙しくて。ルイユ、君のも出来たよ」


 『それを私に付ける気?』


 「え! あ、嫌なら……」


 『嫌ではないわ。確認しただけよ』


 もしかして、ルイユもツンデレですか?

 はぁ。お腹空いた。

 僕は時計を持ってないけど、店を出る時には店の時計はお昼を過ぎていた。


 「あ、そうだ。僕、今度から反対側の東の方の森で採取する事にしたんだけどそっちに移ってもらっていいかな? 僕は街に寄ってから行くから」


 『了解した』


 「見つからない様に気を付けてね」


 『大丈夫よ。ルイユが感知を持っているから』


 「え? モンスターでも持っているんだ」


 『あなたには、使わなくてもすぐにわかるわ』


 「そうなんだ。じゃ、向こうで会おう」


 三人は頷くと森の中を走り出した。僕も森を抜け、住宅街に向かう。

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