◆127◆イラーノ登録完了
「まあ、無理せず暫くは☆3を受けるといいよ。で、そちらの方は?」
「あ、僕はヒーラーじゃないし……」
「おや、違うのかい。だったらお掃除とかどうだい?」
「え? 掃除……」
そういうのもあるんだ。
「彼は、薬草ソムリエ目指してるんだ。そういうのに役立ちそうなのないですか?」
「それならここじゃなくて、採取か薬剤だろうね。まあ薬剤師になれば、ここにも依頼はあるにはあるが、特殊のが多いから。まずは、そっちを当たってみてよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
僕は、お礼を言った。
やっぱり、別なんだ。じゃ仕事を受ける時は、別行動になるな。
「えっと君、名前は?」
「はい。イラーノです」
「イラーノさんね。登録すると、指定が貰える様になるかもしれないよ。登録するかい?」
「指定! えっと、それってどういう仕組みなんでしょうか?」
「同じような仕事をしていると、信頼できるこの人に頼みたいと名指しで来る事もあるのさ。でも登録していないと、それは受ける事が出来なくてね。指定だと経験値も増えるし、ヒーラーならレベルが上がれば王宮でも仕事があるからね。登録して損はないと思うよ。あ、因みに登録は一か所しか出来ないからここでしたら他の部署ではできないよ」
「それなら大丈夫です。登録します」
受付の人が言った通り、損はないんだから登録したほうがいいよね。
僕も後で、採取で登録しようかな。
「では、装置に手を通してもらっていいかい?」
「はい」
イラーノは、装置に左手を入れた。
「はい。完了。で、どっちかの仕事を受けるかい?」
「えっと、今日はいいです。また明日来ます」
「そうかい。で君は何か仕事受けるかい?」
「え? あ、僕も今日はいいです」
「じゃ、気を付けて帰りな」
「はい。色々ありがとうございました」
僕達は、部屋を出た。
外に出ると、もう夕焼けだ。
まずい。ジーンのところに行って街に戻ってきたら日が落ちてるかも。
「森に行って戻ってきたら日が沈んでいるね」
イラーノが言った。同じ事思ったみたい。
「もしあれだったら僕一人で行ってくるけど」
「一緒に行くよ。一人街に残っても仕方ないし」
「ごめんね。ありがとう」
僕達は、小走りに門に向かった。それから森へそのまま走る。
「何か街に着いてからの方が、移動しまくってる感じだね」
「ギルドに行くだけども時間がかかるもんね」
僕がそう言うと、遠いよねとイラーノは頷いた。
ジーンと呼ぶ前にジーンとリリンは現れた。
「ごめんね。誰にも会わなかった?」
『あぁ。人は見かけてない』
「僕達今日は、街に泊まるからジーン達はここで大丈夫? 休めそう?」
『問題ない』
『大丈夫よ』
「また明日来るから」
僕はギュッとジーンに抱き着く。そしてリリンも抱っこする。
イラーノもジーンの頭を撫でていた。
名残惜しいけど行かないと。
「また明日ね」
「おやすみ」
僕達は、ジーン達に手を振る。
イラーノが小石を拾いライトで明かりを灯してくれた。
でも思ったんだけど、小石を握ると暗くなるので、手のひらに置いてという事になるから走る事が出来ない。
あ、そうだ!
「ねえ、イラーノ。枝を光らせる事って出来る?」
「枝? やった事はないけど出来るんじゃないかな?」
イラーノは、枝を拾った。
そしてライトと呟くと、ポッと枝が輝く。
「それなら握っても手からはみ出ている部分が光ってるから明るいよね?」
「なるほど!」
思った通り握っても明るい。
でも走ると腕を振るので、光も揺れる。何かちょっと酔いそうだ。
門に着くと門は閉まっていた。
陽が落ちると閉めるらしい。でも、カギはかかってないし、門番もいるので普通に中に入れた。よかったぁ。
「青い鳥に行ってみる?」
「うん」
門の近くの宿屋の青い鳥目指し僕達は歩いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます