第8話:異世界に来た少女
両親は離婚しており、母方の祖父母の家で生活している。
この日、人通りの少ない学校の帰り道、愛那の足取りは軽かった。
英語の抜き打ちテストの結果も上々だったし、今日は毎週楽しみにしているテレビ番組がある日なのだ。
(ふふっ。そう。桂木様~のお声は、私~の癒やし~なの~♪)
ドン!!
上機嫌で青信号の横断歩道を渡ろうとしていた愛那が足を止める。
突然地面が大きく揺れ始め、恐怖で体が硬直する。
(やだ、地震!?)
持っていた鞄を落とし、すぐそばにある道路標識へとしがみつく。
揺れだけでなく強い風が吹き始めると、愛那の恐怖が倍増した。
「やだやだやだ! 恐い! 何? 何なの!?」
道路標識に必死にすがりながら目をつむっていた愛那は、突如すがっていたはずのものが消えたことに驚いて目を開けた。
「え?」
ありえない光景に愛那は腰を落とすように座り込んだ。
白い建物の中。
同じ服装のたくさんの人間がまわりを取り囲んでいる。
(・・・・・・ここ、どこ?)
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