ロズウェル事件の詳細

半澤 溜吾郎

第1話 ミータとヨータ

 ロズウェル事件は、1947年7月アメリカ合衆国ニューメキシコ州ロズウェル付近で、墜落したUFOが米軍によって回収された、世界で最も有名なUFO事件である。

 時は2277年、人類にとって大きな一歩が踏み出された。ついにタイムマシンが完成したのである。開発者は日本地区の大学生であるミータとヨータで、彼らはお互いの能力を認め、共に科学を愛していた。

 「続いてのニュースです。グリーゼ581星系内の第4惑星であるグリーゼ581dに生命の痕跡が確認されました。今後、引き続き調査を続け、惑星内に知的生命体が生存しているのかどうか確認していく予定です」

 TLミニのラジオモードから高らかにニュースが読み上げられた。TLミニ(テレパシー・ライン・ミニ)とは、小型の高性能チップで脳内に埋め込むと、会話がテレパシーになり、意識上でモードを入れ替えればラジオを聴くことも可能になる。この時代、ほとんどの人がTLミニを脳内に埋め込み、テレパシーで会話をしていた。そして人々の容姿は、人種差別や性差別をなくすため、皆同じ容姿で統一されていた。

 「知的生命体がいるのか確認だってさ。そんなのいるわけないのに… 科学的にありえないでしょ」

 ミータは、さもあきれたかのようにTLミニの意識モードをテレパスに変えて言った。

 「けど過去に何度か、宇宙人て呼ばれる未確認生物が地球に来てるみたいだよ。例えば1947年7月のロズウェル事件。それについてミータはどう思うの?」

 ヨータは少し意地悪な表情で言った。そういうヨータも地球外知的生命体の存在は全く信じてはおらず、半分おどけた気持ちでいた。

 「んなもん昔の人のでっち上げだよ! 今から300年以上前の出来事だぜ。きっとデマだよデ、マ、」

 「そうかな~ 僕は昔の人が嘘をつくなんて思えないけど…」

 ヨータはミータに比べて昔の人たちへの尊敬の念を持っていたので、少し歯がゆい気持ちになった。しかしヨータ自身、昔の人たちのことは信じたいが、果たして本当に人々の前に地球外知的生命体があらわれたのか、はなはだ疑問だった。そこで、ヨータはミータにある提案をした。

 「そしたらさ~ 実際にタイムマシンで1947年7月のロズウェルに行って確かめてみようよ」

 「300年以上も前にか? おまえ昔の人たちのこと信じたいんだろ? まあ、別に俺は構わないけど」

 ミータはあきれながらもヨータの提案に乗り気であった。しかし、二つほど気がかりなことがあった。それは、タイムマシンンの見た目が、1947年当時の人には奇異に映ってしまうのではないかということと、100年以上過去のタイムトラベルが初めてだということである。

 「それじゃ行こうよ! 1947年7月のロズウェルに!」

 ヨータはまるで子供のようにはしゃぎながら言った。

 タイムマシンは空を飛び、七色の光を帯びて1947年7月のロズウェルへとタイムトラベルした。



 空飛ぶ円盤の形をしながら…

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