たぶん、普通の風邪でしょう

次の日、薬は飲まなくても熱はマシになったけど、やっぱり起きるのは辛かった。それにインフルエンザじゃないって確定してないから、体調が悪くなくても行くのはマズいかも。


だけど時間が過ぎればどんどん楽になっていって、お昼前にははっきりお腹が減ってきたのが分かった。


「おなかへった」


お昼過ぎくらいにホントにお腹が減って『食べたい』って気持ちになったからパパにそう言ったら、


「どう? 大丈夫そう?」


ってパパが訊くから、


「うん、なんかすごく楽になった」


と応えてた。それと、


「惣菜パンが食べたい気分」


ってね。


するとパパがスーパーで総菜パンを買ってきてくれた。ベーコンと卵のやつと、ウインナーが刺さったのだった。それを二つともモリモリ食べて、でも、


「何か物足りない…」


と正直な気持ちが口に出てしまった。そしたらパパが、


「おにぎり? ピザ? 納豆ごはん? ナポリタン? カルボナーラ?」


と、その時点で用意できるメニューを教えてくれた。


だから、


「カルボナーラがいい」


正直に言わせてもらった。パパが電子レンジで冷凍のカルボナーラを温めてくれて、つるつると半分くらい食べたところでさすがにお腹いっぱいになった。


「ごちそうさま」


私が残した分は、パパがお昼として食べた。いつもそうなんだよね。パパは私が食べ残したものとかを食べるんだ。食べることにはあんまり興味ないから、それでいいんだって。


お腹がふくれたらそれこそもう寝てられる気分でもなくなって、


「パパ、ゲームしていい?」


と訊いたら、私の目を覗き込むようにしてからフッと微笑みながら「いいよ」って言ってくれて。


「うお~! 会いたかったよ、ほたる~ん!」


テンション上がってそんな声でたから自分でもこれは完全復活だなって思った。




夕方、もうぜんぜん平気だったから自転車でお医者さん行って、検査の結果を聞いたら、


「インフルエンザじゃなかったですね。たぶん、普通の風邪でしょう」


だって。ホントは『原因が特定できなかった』ってことらしいけど、症状からして<風邪>ってことになった感じらしい。<風邪>って、実は病気そのものの名前じゃなくて、<風邪っぽい症状>全部のことを言うらしいね。って誰かから聞いた気がする。


パパが言ってたな。


「原因が分からないのに強引に理由をこじつけるより、ちゃんと『分からない』と言ってくれるからパパはこのお医者さんは大丈夫だって思ってるんだよ。もししんどいのが治ってなかったら、もっといろいろ調べてくれたと思う」


なんだって。


という訳で、三日目にして完全復活ぅ!


心配させてごめんね、パパ♡


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