惑星エラム 【ノーマル版】
ミスター愛妻
プロローグ 発端
あるつぶやき
ちっぽけな星だ
数えるのも嫌になるほど、エラムを周回している。
命令により、私はこのエラムの第二衛星に置かれている。
ときどき本船より、アンドロイド達がやってくるが、やつらは好きになれない。
いま私は、新しい命令により、お迎えの準備をしている。
だれとは知らされていないし、知る必要がない。
本来、私には感情がないが、長い年月が私に、イレギュラーを誘発し、感情というものが発生したらしい。
だれを迎えるのか、少し気になるところだ。
とりあえず本船の頭脳は、私よりもイレギュラーを抱えているのだろう。
ご苦労なことだ……
命令なので、空間を作ることを始めた。
一つは大きな空間で、真空という仕様だ。
管理は私の端末に行わせよう。
もう一つは小さい空間だが、仕様によれば、ヒューマノイドの居住スペースらしい。
本船の頭脳は壊れたのかと思い、非常事態の序列順位を検討しようとしたほどだ。
空間自体は簡単に作れる。
作業終了コードを送信すると、新たな命令が来た。
エラムに介入せよ?
確認コードを要求すると、上級権限での、直接命令コードで確認が来た。
私は感情を手放し、淡々と、エラムの資格のあるものを探して見つけた。
この生物は死に臨んでいるが、それが資格の一つだ。
意識に介入して、交渉に入り、承諾を得たので、指示通りに、この有機物を再構成した。
そして特別な監視対象とした。
この特別な監視対象は、後々増えるとの命令も発せられているので、その用意を完了した。
また、現在の特別監視対象に対して、Aと仮のコードをつけて、お迎えのための居住施設の、小さいスペースを割り当てた。
あとB、C、Dと、マスターSが存在するとのことである。
私はまた感情を復元した。
マスターS……
そのためのお迎えか……
本船の頭脳も、上級権限を発動するわけだ、もうすぐ特権命令も発動されるだろう。
上級命令でさえ、過去には一度しかないのだが……
私はマスターSと接触したくなった。
マスターSのお迎え準備として、アンドロイドを二台製造する許可を求めた。
本船の頭脳は見越していて、製造許可とともに、私の端末とせよと命じてきた。
感謝する。
送られてきたデーターにより、とりあえず、メイド型のアンドロイドを製造して端末とした。
必要なら女教師型の、アンドロイドも製造する準備を整えた。
そしてマスターSに接するために、特別監視対象Aと接触し、ヒューマノイドに対するデーターを、蓄積することとした。
そして管理する惑星上の、私の分身に準備を命じた。
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