学年一平凡な俺が、顔面偏差値70の女子に告白されたんだが?
明日葉直希
第1話 プロローグ
「あのね........私と付き合ってほしいの................だめかな........?」
「は........え........ええっ!!!」
これが俺と彼女のファーストコンタクト。
はっきり言って衝撃的だった。
いや、今流行りのドッキリ企画やら、実は動画撮ってましたぁ的なものだと信じてやまなかった。
告白なんて今までされてこなかった。正確には「されてこなかった」よりも「する人がいなかった」の方が俺には適しているだろう。
なぜなら........。
The 平凡の名を欲しいままに、平凡を具現化した人間だったからだ。
と、周りでは言っていたし、実際に自分でもそう思っていた。
それがこんな美少女と........。
いや、恐らくバグった世界線に来てしまったのだろう。そうに違いない。
そうでないと俺の今までの生きてきた人生が否定される........まではないにしても、無機質過ぎる。
かっこよく言えば、誇り高き孤高。
だが、現実はただのボッチ。
それなのに........。
「........ちょっと?いつまで考えてるつもり?」
あ、自分の世界に入りすぎていた。
「い........や、あの........。初めてだったので」
自分でも気持ち悪いくらい平凡な返し。
「まぁ、すぐに返事はしずらいだろうから、いつでもいいので........。いい返事待ってます」
そう言って、顔を赤らめながら颯爽と屋上から出ていった。
(なんなんだ........一体)
何が何だかわからないが、1つ分かっていることがある。
それは........。
俺に似つかわしくない美少女が、平凡な奴に告白をしたという事実だ。
ある意味、その事実だけが空回りしている。
顔面偏差値っていう言葉がSNSであったのを目にしたことがあるが、それで言うなら........。
「70だな........」
他の人をわざわざ偏差値化するなんて、倫理的に見ておかしいかもしれない。それに、俺は女子を見て兎や角言うのが好きではない。
むしろ、その作業をすることに億劫で、無駄な労力とも言えたからだ。
だが、敢えてしたくなるほど、彼女は可愛いのだ。
「平凡」が取りえだった俺が、ここに来て「平凡+」いや、「凡才」くらいになるほどの大きな岐路に立たされている。
俺は........どうしたらいいんだ。
この出会いが未来を大きく変えることになるとは。
まだ俺は気づいていない。気づけるはずもなかったんだ。
学年一平凡な俺が、顔面偏差値70の女子に告白されたんだが? 明日葉直希 @fairwind
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