恵憂から見て

 私から見てママはかなりの美人だと思う。パパは平々凡々だと思う。よくまぁ超美人なママを落としたのか疑問だが。それより疑問なのはママがパパを大好きすぎることだ。

 パパとママが結ばれるまでの経緯は聞いているし、一途で切なくて、奇跡的な物語ではあるとは思う。

 でもこう8歳の娘が見ていることに気が付かないで、音をたてるようなキスをしながら、ソファで組んず解れつしないでほしいものだ。

 このまま見てると、私の中のなにかが壊れてしまいそうなので、リビングのドアをノックすると案の定、パパとママは慌てて身なりを整えてなにもなかったかのように振る舞った。


 ちなみに話は変わるけど。8歳になるにあたり、知能指数の再検査を行った。というかやりたくなかったけどママの母校に入学するために必要があったので、いやいや、やらされた。結果は前回を大きく上回り知的年齢18歳とのことです。興味ない。


 さらにちなみに。なぜ東京大学理科3類を選んだのかというと、医学にも興味が出たからだ。お医者さんになるかはわからないけど、脳科学が特に面白そうだと考えている。

 今、興味があるのは数学、医学、タイムトラベル。どれも一生をかける価値があると思う。


 そんな私にママは強烈に不満を抱いているようで、ざっくり言えばもっと女の子らしいことに興味を出してほしいらしい。パパが間に入っているから直接なにか言われたわけではないけど。


 でもこの前の誕生日プレゼント。真っ赤なワンピースをもらって。ママと一緒に2人で真っ赤なワンピースに黒のカーディガンでお買い物に行ったら、周りの人と比べてどうやら私も容姿に恵まれているらしい。そのことに気がつくとおしゃれもいいかなぁって思った。


 そんな日常を思い出してみた。

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