ときめいた日常
東京大学。言わずとしれた超有名大学。ちなみにママの母校でもある。
史上最年少での入学ということで、山程の人がいたけど「パパとママと手を繋いでいれば関係ない」。
そして入学式。こうして考えてみるとパパもママも30歳になってないんだから、特別若い両親になるんだなーってつまらない挨拶を聞いていた。
それからだ。胸がときめいたのは。サークル活動や部活の勧誘で、これまた人がたくさんいた。事前にパパに「サークル活動はだめ」って言われていたものの、やはり内容が気になった。
そして私は運命と出会う。
そんなにやる気がありそうではなかった。机の上に会誌を置いてあるだけ。声もかけてない。でも逆に気になった。
パパに声をかけてチョット待ってもらう。パパは笑顔で、ママは怪訝な顔つきをしていた。
1声をかけて、会誌を見させてもらった。
そこには最先端数学と波動方程式を利用した物理学。そしてその他。そして目標は完全なるタイムトラベルだった。胸がときめいた。ありえないと言われていることに挑戦することに。古今東西様々なタイムトラベル理論はあったけど、その会誌はそのすべてを凌駕していた。
パパにお願いした。そのサークルに入りたい、と。私はそこで学びたいと。そしたらパパは
「あのときのあーたんと同じ瞳だね」
って言って嬉しそうに、本当に嬉しそうに抱きしめられた。
「時間はたくさんあるから。だからゆっくり学びなさい」
両親の時間
今日はキスはなし。なんかあーたんが不機嫌だったので。
でもやっぱり1回はしたくて、そっと唇を近づけると優しくキスしてくれた。でもそうなると1回じゃ終わらない。僕が求めて。あーたんが求めて。気が付けば20分ほど時間が経っていた。結婚してからずっとこの習慣は変わらない。
「恵憂、どうだったかしら?」
「すごい楽しそうだったよ。タイムトラベルに興味が湧いたみたいで、さ」
「またあの娘は変なことに興味を持つわね」
「まぁあーたんの娘だからね」
このときは誰も思わなかった。恵憂という史上の天才がなにを生み出すのか。
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