「私の日常。 」


引っ越してきた翌朝、玄関の扉を開けると、そこには視界一杯の青空と少女の笑顔が有った。


彼女の屈託のない笑顔と、取り留めのない、ほんの一言、二言の言葉は、最初


「ああ、なんて無邪気な」


「若いっていいな」


そんなありがちな感想を感じさせた。


プチプチと音を立てて弾けるような感性


瑞々しい笑い声



でもたった十代半ばで、こんなに短い言葉で


魅せるのは凄い。



自分語りは簡単だ。

ただ、有ったことを書くのもまぁ難しくもないだろう。


でも、彼女は違う。

一ページ、ほんの五行ほどで日常を切り取って魅せる。



俳句のような端正な言葉を放つと、彼女は笑って踵を返す。


えっと思った時にはもう後ろ姿しか見えない。


残るのは、優しく明るい言葉の余韻だ。


これはなんと素晴らしい才能なんだろう。


今後の彼女から、目が離せない人は多いはずだ。



私の日常。

作者 ひかげ


https://kakuyomu.jp/works/1177354054890589336




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