第11話デイサービスはやはり、

認知症の第一人者であられた精神科医が認知症になった番組を

見ました。

彼は自分がデイサービスを作り、

良かれと思い認知症になった人達に勧めていた。


それがいざ自分が行く事になったら、孤独感を感じて、

行きたくないと、辞めると。

実の娘さんに諭されて、あなたが作ったのではないかと、

家族のためにと。お母さんのために行った方がいいと。


その言葉に自分は家族に負担をかけて、要らない存在だと思い

死にたいと思ったと、

初めて患者さんの気持ちがわかったのですね、

それまでは研究者として、医師としての立場でしか

見ていなかった。


それでも正直な気持ちを書き留めて、自分をさらす勇気がお有りになられてありがたいです。


おかげでやはりデイサービスはどちらかというと家族のために作られたのだとを理解出来ました。


利用者になられた彼は何をしたいのかを聞いてくれとおっしゃってました。

そのとおりなのです。デイサービスでは聞いてくれません、

一人一人の希望など聞いていてはいられません。そんな余裕や時間はないのですから。前にも書いたとおりに、食事、入浴、排出、服薬、の補助だけで手一杯な現実。


ご本人のやる気ややり方を待っていたらとても一日の全てをやりきれません。


本来はご本人が一番居心地良い場所で介助されて暮らせることです

。ご家族にも負担をかけ過ぎずに他人の助けを借りて、

本来はその役目をデイサービスがやるつもりだったのでしょうね。


なのにどこでまちがえたのでしょうか?

一人一人の大人を集めてまるで学校や保育園のようにみんな同じように一斉に扱い、ただテーブルに座らせて面倒が起きないように、問題が起きないように、ご家族に文句やクレームを言われないようにと。


人が生きている場所では問題やいろんな事が起きて当たり前なのに、しかもそういった事が生きているという実感を感じられる、

いろんな感情が湧いて、生の人とのやり取りが生きがいなのです。


誰とも話さない、関わらないのは生きている実感が無くなっていくのですよ。


ご本人が一番知っています、怪我や病気はしたくないと。

それでもなってしまうのはそこまで誰かに自分の存在を感じて

欲しいからです。

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