この世界について
・この世界の成り立ち
この世界はかつてロアテラに襲われた並行世界の一つです。
しかし、この世界はロアテラに喰われながら、なおも『悪あがき』を続けています。
この世界には『魔法』という力がありました。
その『魔法』によって作られた魔器――『アトランティスの大砂時計』
これにより何度でも時間を巻き戻すことで滅亡と再生を繰り返しているのです。
この世界は完全には崩壊していないため、二人の女神に掬い上げられることはなく、仮面をつけたあの御方の干渉をうけることもなく、ロアテラにより何度でも喰われ続けているのです。
・世界を彩るもの
この世界は、おおむね二十世紀初頭の地球と殆ど変わりありません。第一次世界大戦前ぐらいの文明水準です。
魔法によって科学などの技術を補うことで、それをなしています。
ただ、
・砂時計の守り手――魔女と仕立て師
ロアテラはこの世界を完全に喰らうべく、砂時計を破壊しようと尖兵を送り込んできます。この者たちは『破壊者』と呼ばれています。
そして、砂時計は自らの意思で、破壊者を迎撃する守り手たちを選びます。
それが戦場に立つ『魔女』であり、そして彼女らの戦衣たる
・アトランティス国際魔女連盟
大西洋に存在する、沈まなかった魔法帝国のかけら・アトランティス諸島。
そこを統治するのが国際魔女連盟という組織です。
魔女たちと仕立て師を統括するという組織ではありますが、特別に彼らに対して権限を振るうわけではありません。――表向きは。
・アルストロメリア学園
アトランティス諸島にある、特に優れた魔女と仕立て師を育成するための教育機関です。
主に十代の少年少女らが在籍しています。入学年齡は各々の事情により異なりますが、学習期間は三年ときっちり定められており、留年決定の段階で除籍処分となることでしょう。
一学年は制服のリボンやネクタイが赤、二学年は緑、三学年は紺色と見分けが付きます。
魔女候補の学生と仕立て師候補の学生は入学時に学園によりペアを定められます。学園側によると、入学試験や適性テスト、それに占術により相性を見て決定しているとのこと。
学園には大きな花畑があり、そこには一年中さまざまな花が咲き乱れています。しかし、なぜか殆どの学生や教員は立ち入りません。
中央には大きな砂時計のようなオブジェがあるそうです。
・アトランティスの大砂時計
学園内の花畑に存在する巨大な砂時計です。しかし、中には砂粒もなにも入っていません。
この砂時計に絡みつくように花が咲くことがあります。それは、砂時計を守る魔女たちを示す花とされます。
また、歪な花が絡みつくように咲くことがあります。これは世界の真実を知ってしまったがゆえに『堕ちた』魔女たちを示す花とされます。
・破壊者と堕落者
この世界にとって討伐すべき敵です。
破壊者はロアテラに支配された存在です。アトランティスの大砂時計を破壊すべく動こうとします。砂時計の周囲を己の心象風景が具現化した『舞台』へと変え、魔女たちと戦います。
魔女たちが無事勝利した場合、彼らは正気に戻り、教員たちに運び出されます。
――魔女たちにとってみれば、彼らは『試験の協力者』でしかないわけです。
堕落者は世界の真実を知ってしまい、それに耐えきれずに堕ちてしまった魔女と仕立て師です。
真実の恐ろしさと重さから、他には何も信じることが出来ず、お互いだけに依存しきってやがては大砂時計を破壊しようとします。
彼らもまた、砂時計の砂時計の周囲を己の心象風景が具現化した「舞台」へと変え、魔女たちに挑みます。
魔女たちが勝利した場合、彼らは記憶を消され、除籍処分されます。
堕落者はだいたい以下のようにおいつめられていきます。
・第一段階
周囲の物事が歪んで感じられ、世界が自分らを喰らい傷つけようとしているように感じられる。
・第二段階
信じられるのはペアの相手だけである。この世界で相手だけが、確かな存在であり、自分を理解してくれるのは相手だけだ、という妄想に陥る。
・最終段階
この世界は滅んだほうが良いという想いを抱く。
願いや欲望が具現化した舞台を生成し、仕立て師が作ってくれた
・魔女と仕立て師と、真実の秘匿と
ほとんどの学生や教員は、世界が巻き戻っていることや、砂時計の真実などは知りません。
アーセルトレイではステラバトルと呼ばれている戦いも、この世界では『魔女の戦い』と呼ばれ、試験の一種であるとだけ聞かされています。
この試験――魔女の戦いの告知はだいたい一ヶ月ほど前に行われます。
この期間で、仕立て師たちは試験に備えて、己のペアである魔女が魔法を使うための
魔女の戦いは教員たちが観測――もとい採点を行い、評価をつけます。
その評価次第では、あらゆる望みを叶えてもらえる。という話がありますが、定かではありません。
・崩壊の夢
ごくごくまれに、世界が巻き戻っても、以前の世界のことを覚えている者もいます。
うっすらと、夢のようなものでしょうが、世界が何者かに喰われる記憶を持っているのです。そういった者のなかには真実に至り、堕落者となってしまうこともあります。
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