第72話 状況/手段=初心

【スキル『同時展開』異系展開】

【スキル『魔力操作』同時(To3Slot)行使 対象:生成武器】

 【Slot1=スキル『多種合成』異種合成】

 【Slot2=スキル『変性生成』変形形成】

 【Slot3=“鍛冶師”職業スキル『近接武器魔法生産』種類:両刃重剣】

【スキル『魔力操作』同時(To3Slot)行使 対象:生成武器】

 【Slot1=スキル『魔力操作』過魔力発動:100倍 対象:同時行使術】

 【Slot2=スキル『複合属性適正』(4大)属性付与】

 【Slot3=スキル『複合属性適正』(8小)属性付与】

【スキル『魔力操作』同時(To3Slot)付与 対象:生成武器】

 【Slot1=スキル『結界術』設計結界“狭籠殻” 対象:装備者】

 【Slot2=スキル『結界術』設計結界“刃鏡壁” 条件:ガード成功】

 【Slot3=スキル『結界術』設計結界“刃鏡壁” 条件:カウンター成功】

【スキル『魔力操作』同時(To3Slot)付与 対象:生成武器】

 【Slot1=スキル『結界術』設計結界“増倍球” 対象:装備者スキル】

 【Slot2=スキル『結界術』設計結界“封小箱” 条件:物理相殺成功】

 【Slot3=スキル『結界術』設計結界“封小箱” 条件:カウンター成功】

【“印持ちダンジョンマスター”職業スキル(限定解放中)『ユニーク生成』】




 間違いなく魔力を使い切った。ずいぶん久しぶりに感じるような極限の気持ち悪さの中、そう確信する。いくら魔力自動回復があるとはいえ、あといくらもしないうちに気を失ってしまうだろう。

 ふわりと支えを失って落ちていく感覚の中、服の裾をやっとの思いで小さく引く感覚でソールを呼ぶ。叩きつけるような返事にちょっとくらっと来たものの、すぐさま聞こえてきた風切り音に衝撃に備えた。


「いきなり今度は何しやがッた嫁!?」


 そんな第一声と共に、いい加減加速のついていたらしい落下が止まる衝撃が来た。が、受け止めた方は私が何を持っているかに気づいて声を失ったようだ。


「コレなら、戦える、でしょ」


 気持ち悪さはMAXだが、気分的にはドヤ顔したい感じだ。気持ち手にある物を見せつけるようにかざして続ける。


「適当に、私、降ろして」

「いや、けどなァ」

「何。完封すれば、いいだけの、話」


 飛びながら器用に攻撃を避けてもう一度私が持っている物に視線を向け、今度は下降方向へ飛ぶソール。


「前から無茶やる奴だとは思ッてたしそこがいいンだけどよォ。一個だけ聞くぞ。なンだこりゃァ?」


 途中で『結界術』による隠蔽を含み、たどり着いたのは私の空間があった場所の底。空間自体がごっそり消えてしまったために大きな穴となった場所の一番深い所で、ソールは呆れた声で聞いてきた。

 ようやく休む体勢になって、何とか息を吐き、気持ち悪いのを気合で押し込めて、本当にレアな心からのにっこり笑顔で答える。


「私特製、専用武器。非常事態につき特別仕様追加でユニーク化済み」

「ゆ………………うわ、マジだ」


 呆れかえった顔のソールは頭を押さえ、何かの鑑定スキルを発動したのか何とも言えない声でそれだけ呟いた。非常識なのは知ってるさ。多分桁外れなステータスになってるよね。

 何せ材料からして、伝説級の剣に私の鍛えすぎた護剣と杖、あの舞台とその空間が丸ごとなのだ。後は異世界産のマフラーと巻き込まれたらしい私の髪の一部。後半はともかく、普通は使われている時点でおかしい。

 で、生成時点で付与した魔法や属性は剣の属性とか特性になるらしい。4大8小属性全部が、1つついてるだけでもおかしい威力で、しかも自動防御とスキル増幅効果に、条件付きながら相手の攻撃を跳ね返したり無効化して相手に喰らわせたりできる効果がある。

 つまりこの、元の剣と大きさは大して変わらない物の、プラネタリウムや見上げた夜空を閉じ込めたような刀身で、柄の真ん中に金色の宝石(実は魔晶のとびっきり兼ユニークの証)が填まった剣は、実はもう存在からしておかしいシロモノだったりした。

 そんな物を戦闘中に作るか? ソールの纏う雰囲気はそんな感じで満点だが、さすがにそろそろ意識が落ちそうなので、どうにか、ふふん、と威張って断言した。


「勝てばいいのよ、勝てば」


 一瞬狐につままれたような顔をしたソール。が、すぐ顔をうつむけて頭を押さえると、しばらくしないうちにくっくっと笑いが零れ始めた。すぐに抑えきれなくなり、


「くっ、はっははは! あァもう、それでこそだ!」


 こちらも心から、と分かる声と共に、破顔した。テンションのタガが外れて、そのまま2人でにやにやくっくっと笑いあう。


「ンーじゃァまずは試し斬りと行かねェとなァ。とびッきり丈夫な相手が居る間によォ」

「ついでに【神殺し】属性も追加されるかもな美味しい相手だよねー。いってらソール」

「おゥ。ちッと待ッてろ嫁。すぐ終わらせる」


 ぽん、と私の頭に軽く手を置いて、ソールは翼で風を起こして飛んで行った。その金色が見えなくなるまで見送って、ふと笑みを別のものに変えて、呟く。


「……そんで、じゃあ、元気でね」


 それだけを独り言のように世界に残して、私は意識を失った。








名も無き?ダンジョン??

属性:異次元?位相?

レベル:【存在しません】

マスターレベル:【存在しません】

挑戦者:2人




『名も無き?ダンジョン??はクリアされました

このダンジョンの全ての隠蔽が解除されます

このダンジョンの全ての境界制限が解除されます

このダンジョンへの全ての干渉が許可されます

ダンジョンコアに該当する存在が消滅しました

このダンジョンは即座に世界に溶けて消滅します

このダンジョンは内部の状況の約半分が世界に定着します

ダンジョン跡地に孵化直前の『謎の卵』が残されています

ダンジョン跡地に『不思議な植木鉢』が残されています

ダンジョン跡地に『謎の種』が残されています

『不思議な植木鉢』がダンジョン跡地の世界に固定されました

『不思議な植木鉢』の効果により『謎の種』が芽吹く条件を満たしました

『謎の種』が芽吹き成長を始めました

『謎の卵』が『謎の種』に影響を受けました

『謎の卵』が孵化の条件を満たしました

『謎の卵』の認識する親は現在世界に存在しません

『謎の卵』は親を探しています

『謎の卵』は自分で自分を定義しました              』


『ダンジョンマスターがダンジョンコアの所有権を放棄しました

 ダンジョンマスターの職業はロックされています

 ダンジョンマスターの居場所が捕捉できなくなりました

 ダンジョンの全権限が最後に接触した配下に移譲されます      』

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