第3部
友達と行くカラオケ
11月末、期末試験が終わった。成績結果は来週発表される予定なのでまだわからないが、この期末試験が終われば冬休みがすぐやってくる。試験がすべて終わり、ホームルームが始まる前の休み時間、俺は円香に呼び出された。
「ねぇ、彰人。学校終わったら、カラオケ行かない?」
結局俺は、円香の誘いに乗ることにした。
学校が終わると、俺は円香とともに駅前に向かい、近くのファーストフード店で昼食を取ることにした。そして食事を済ませると、近くのカラオケボックスに移動。円香の友達と合流した。
「円香、やっぱり彼氏と昼食べたんだ~」
「うん・・・まぁね」
円香にそう言い出すのは、
「梅沢くんも彼女とラブラブだね~」
「そ、そうなんだよ・・・」
そして俺にそう言い出すのは、
結局、俺は円香と滝口さん、吉川さんの4人でカラオケを歌うことになった。
4人ともカラオケのレパートリーは豊富だった。最近流行りの歌から、少し前の歌、それどころかかなり昔の歌まで歌っていた。そしてアイドルソングやアニソン、ボカロまでみんな歌い出す始末。しかし、吉川さんが親父原作のアニソンを歌い始めた時には俺も一瞬ビクッとした。あれ、もう10年くらい前のアニメだぞ。
ちなみに吉川さんは、「そういえば梅沢くんのお父さん、漫画家だったよね。梅沢先生の作品は色々あるけど、私はこの作品が一番好きかな。私、このアニメ見て声優になりたいって思ったしね」と言っていたけど。
夕方、カラオケが終わるとそれぞれ帰路についた。同じ東京都内に住んでいるとはいえ、俺と円香は練馬区、滝口さんは江東区、吉川さんは目黒区に住んでいるので、帰り道はバラバラだ。滝口さんと吉川さんは電車に乗り帰路についたが、俺と円香は徒歩で帰路につく。
そして帰宅し、俺は菜月が作った晩ご飯を待ちわびようとしていた時、円香からこう声をかけられた。
「ちょっと彰人、私たちヤバいことになったかも・・・」
円香が俺に自分のスマホを見せた瞬間、俺は背筋がゾッとした。
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