第46話すみれ11

 かえでは病気のことは話さない。でも顔色は戻った。今日は二人でかえでの出版記念に出かける。もちろん私はすみれとして一緒に行く。環状線天王寺からホテルのある京橋で降りる。私もそうだがかえでもネットではずいぶんファンがいるようだ。今回の作品はすみれとかえでの物語だ。

 会場には若い人とくに女性が50人ほどいる。かえでが入口で本にサインをする。その後かえでが中央の席で物語の話をして質問に答えている。バイキング形式で飲み物も出ている。同業の物書きが挨拶をする。かえでが私を紹介する。

「この作品のモデルなんです」

「わー!綺麗な人」

 物語は私も読んだが私は男でなくレズの関係になっている。

「本当に抱き合うの?」

「はい」

 質問を受けて私も答える。

「あなたも漫画描くの?」

 これは同業の漫画家の女性だ。

「いえ、私は小説を書きます」

「かえでさんはこれで1千万は稼がれると思いますよ」

「1千万?」

 これは横に来て名刺を出した出版社の社員だ。そんなに有名だったのか。

「彼女のエロさは女のファンが多いのですよ」

 帰りがけかえでからラブホテルの誘った。かえでは自分の作品で濡れ切っていたのだ。

「今日はアナルに入れてね?」

 この日のためにかえでは指でアナルを鍛えていたのだ。


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