第41話すみれ6

 朝まで3度も抜いた。もう立ちもしない。さすがに二人が起きたのは太陽が真ん中に昇っている。

「今日は風邪ひきで休みを取ったよ」

「もうできないよ」

「映画に行かない?それからおかんの店に連れて行って?」

 これは小説の間に書いているブログを読んでいるようだ。

 二人で化粧を始めて4時半の映画に飛び込んだ。だがおかんの店でばれないだろうか?映画が終わったのは8時、それからぶらぶら商店街を歩く。かえではきっちり腕を組んでいる。9時に店の前に来る。父は外で飲んでいるだろうか。

「あれ、ひろし君の姉さんだったっけ?」

 私の定席に並んで座る。

「私の友達です」

「かえでです」

 どうやら気が付いてないようだ。大瓶を2本空けて3本目に入る。度々常連が話しかけるのをおかんが止めている。

「ここ気に入ったわ。私のところから近くだし。時々来ようかな?」

「強いな?」

「スナックで働いていた時に鍛えられたのよ」

「ひろし、いえすみれはいつから飲みだした?」

「大学時代に女装の仲間とよく飲んだ。みんな強いんだ。それよりお父さんと話でどうだった?」

「父と言っても他人だから。それにピルを使っているし。私の店にいる子は本当の父と何度もしていたと言っているわ。燃えるって言っていたわ」

「そんなものか?」

「ひろし来なかったね?」

 おかんが珍しそうに言う。11時でここは閉まる。私がお金を払おうとするがかえでがすべて払い済みだ。

「お金ないのでしょ?」

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