第18話別れの時2

 かえでにノートパソコンが届いた。それから夢中で秘密基地に行く回数も減った。その代わり私はかえでのベットに張り付いている。それ以外は教科書を勉強している。かえでが母のように最近は口うるさく言うのだ。姉さんの相手だった医師が時々教えてくれているようだ。

「どうこの絵?」

「そんなにうまくかけるんだ?」

「ブログを書くのも教えてもらっている」

「ブログ?」

「日記みたいなものよ」

「先生とは?」

「何言っているの」

 かえでは笑っている。私は最近気になって秘密基地を見張っている。二人で入らないかと思っている。これが嫉妬と言うものか。

「空いている時間はひろし君がワードの勉強したら」

と画面を用意してくれる。

「母ね、あの男の子供出来たようよ。それに付け込んでノートパソコンをねだったの。でもね、母は別れると思う」

「どうして?」

「男運が悪いの。今の男もチンピラよ。私のお父さんはやくざだったのよ。籍も入れてないうちに刑務所に入ったわ」

「お母さんは何をしているの?」

「小さなスナックの代理ママよ。ひろし君のお母さんは?」

「洋裁の小さな教室をしているよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る