5月16日(金)のメモ
失敗した。
僕としたことが、とんだ失態だ。
僕は今、暗く狭い部屋に
閉じ込められている。
窓もなく、ここがどこかもわからない。
地下室だろうか。
重い天井ドアにはカギがかかっていて
ビクともしない。
昨晩、学校の帰り道で、突然気を失った。
誰かの襲撃にあったようだった。
まさか、こんな強行手段でくるとは……。
油断だ。完全に油断した。
僕を尾行して強襲してきた犯人は、
税田摩真人神だった。
一瞬、顔を見たから間違いない。
彼は現生党の中心人物なので、
有力候補となった僕を
引きずり降ろすために出た行動だろう。
携帯電話も奪われていて、
外と連絡が取れない。
この、ほぼ日手帳だけはカバンに
残されていたので、こうして手記だけは
続けているわけだが。
食料もあるし、さすがに命の危険までは
ないと思うが、このまま
閉じ込められっぱなしでは
週に一度の演説が行えず、まんまと
立候補を取り消されてしまう。
そうそう思い通りにさせてしまっては
面白くない。
ますます生徒会長になってやりたくなった。
しかし、さすがに僕ひとりでここに
閉じ込められていては、どうにもできない。
さて、どうしたものか……。
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