第19話 恐怖!?母子同室(1)
以前にも書きましたが、私の入院した病院は、一日目から母子同室の方針の病院でした。
ただ私があまりにも痛がり起き上がれないので赤ちゃんと同室になるのは二日目からになりました。なったのは良いのですが……
しかしなんと言っても産んでまだ二日目。お乳もろくにあげれないし、抱きかたすらよく分からない、痛みも疲労もまだある中で赤ちゃんのお世話なんかできるのか!?
おっかなびっくりの母子同室でしたが、運ばれてきた赤ちゃんはスヤスヤと寝ていて起きる気配はありませんでした。
この頃はまだコロナは流行っていませんでしたが、インフルエンザが猛威をふるっており、面会は制限されていました。
なので面倒な親類のお見舞いなんかもなく、ゆっくり眠れるなーなんて思っていたのですが……。
赤「ウエッ、ウエッ、ウエッ……」
げげげっ! 泣くなよ!?
という私の思いをよそに……
赤「ウエーウエーウエーン!!」
な、泣き始めたーーっ!!
ま、待てよ? こういう時、初めにオムツをチェックするんだったよな?
一人でオムツを変えたこともないけど、やり方は習ったのでとりあえず……
とりあえずオムツを確認してみたのですが、異常はなさそう。確かオシッコをすると黄色いラインが青くなるんだよな??
おっぱい?
とりあえずおっぱいを差し出してみるも、顔を背けイヤイヤします。
赤「イーーーッ!!!!」
おっぱいでもない。眠いのか?
とりあえず抱き上げてトントンしたりゆらゆらしてみるも……
赤「んぎゃあああああああああああ!!!!」
赤さん全力で拒否!!
何なんだよ……人間語しゃべれよ(おい)
私が途方に暮れていると、看護婦さんがやってきました。
看「どうしました? オムツは見ましたか?」
私「はい、さっき見たんですが」
看「どれどれ……ん? ウンチしてますね!」
ええ? だってさっきチェックして……
と、そこで私ははたと気が付きました。
おしっこラインの色が青く変わるのはオシッコの時だけ。ウンチでは変わらないのだということに。
オムツを変えたことのある人は「そんなの常識でしょ!?」と思うかもしれません。
ですが産まれてから一度もオムツなんか替えたことない人の認識なんてそんなもんです(私だけ?)
しかも私の場合、初めに看護婦さんにお手本を見せてもらった時、「青いラインになっているので替えましょう」と言われオムツを開けたらウンチをしていたのです。
なのでウンチでも色が変わるのだとまんまと勘違いしてしまったというわけ。(実際にはウンチとオシッコ、両方していたのでしょう)
ちなみに新生児のウンチは無味無臭で(食ったわけではない)緑色をしています。
これは胎便と呼ばれるもので、赤ちゃんがお腹の中に居た時に飲みこんだ羊水や、腸管の分泌物、胆汁色素や脂肪などが含まれているため緑色になるのだとか。
私は犬も猫も飼っていたのですが、犬のウンチは人間のものとほぼ同じ、猫はそれよりも小型で臭いですが、形は犬や人間のものと似ています。
そう考えると、新生児の便が一番人間離れしている……。
看護婦さんはおかず海苔を思い出すと言っていましたが、私はオムツ替えのたびにカタツムリのうんちを思い出していました。
カタツムリの便って食べるもので色が変わるから葉っぱをあげてたりすると緑色になるんですよね。
しかしこれで謎は解けました。次からは上手く対処してやるぞ!
と意気込んでいたのですが、次に泣いたときにオムツをチェックすると……ウンチ! 次に泣いた時は……ウンチ!!
……なんかこの子、ウンチの時にしか泣かないな。日中はずっと寝てて授乳の時間になっても起こさないと起きないし。
なんとなくですが、看護婦さんが「泣いたらまずオムツを見る」と言っていた意味が分かりました。
何だか拍子抜けだなぁ。意外と新生児の世話って楽なんだろうか。
……そう思っていたのですが、そんな私にも試練が。そう、深夜の授乳です。
(つづく)
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