第4話 つわりの話
さて、妊婦といったらつわり。つわりといったら妊婦。
妊娠したと知り合いに話すとだいたいの人は「つわりは大丈夫?」と聞いてきます。
だけど私は気持ち悪くなったりだとか吐いたりだとか、つわりらしいつわりは無かったですね。
ドラマとかでは「ウッ」とトイレに走り、「もしかしてこれは……」となり、医者に行くと「妊娠三ヶ月ですね」と告げられたりする展開をよく見ます。
なので妊娠初期のころは、ひょっとして妊娠三ヶ月くらいにならないと気持ち悪くならないのかな?と思っていました。
なので友人にも「まだ妊娠二ヶ月だからこれからかも~」みたいな感じで話していたのですが、そしたら「それはおかしい。私の時は妊娠一ヶ月目から気持ち悪かった」と言われ……。
おかしい。全然吐き気がしないぞ。百合の間に唐突に男が入ってきたり、眼鏡キャラの眼鏡を外しちゃったり、貧乳キャラの胸をやたら盛る同人誌を読んだ時の方がよっぽど吐き気がするんですけど……?
おかしいと思い調べてみると、つわりとひとことで言っても様々なつわりがあることが分かりました。
有名なのは吐きけがする吐きつわり。あとは匂いに敏感になり、ご飯の匂いとかお肉の匂いが駄目になったりする匂いつわり辺りでしょうか。
けれどその他にもつわりの種類はあって、食べてないと気持ち悪くなる食べつわりだとか、とにかく眠い眠りつわりだとか、ヨダレが沢山出るというつわりもあるそうです。
私の場合、眠りつわりが当てはまったかな……? という感じ。気持ち悪くは全然無かったですね。
妊娠中はとにかく眠くて、夜の九時には布団に入ったし、普段は眠りにつくのに一、二時間かかるのに妊娠中はのび太くんみたいに布団に入ったら三秒で寝ていました。
でもなぜかつわりが収まるはずの妊娠五ヶ月ごろに少し気持ち悪い時期もありました。
それまであまりにもつわりっぽいものが無かったので、「うっ気持ち悪い! おえー!」とトイレに行った瞬間、「あっ、これ、ドラマとかでよく見るやつだ!」と嬉しくなったほど。
まるで進研〇ミで予習したところがテストに出た時みたいな反応をしてしまいました。
ですがそれも二日ほどで収まってしまったので、今となっては本当につわりだったかも怪しいところ。ひょっとしてただの食べ過ぎだったりして……。
それから妊娠中は味覚が変わってレモンとか酸っぱいものが欲しくなるというのもよく聞きます。
私の場合、とにかくオレンジジュースが美味しく感じました。妊娠前はそんなに好きじゃなかったんですけどね。
カフェインをとるのはダメだと聞いていたので、その代わりに二リットル入りのペットボトルでオレンジジュースを飲んでいたりもしました。
それからポテトが食べたくなるという話もよく聞くのですが、確かに、普段はあまりファーストフードなんか食べないのに、試しに食べてみるとマックのポテトが無性に美味しく感じました。
普通の妊婦は、恐らく吐き気でご飯が食べられないから、その代わりに何とか食べられるものを探してそれでマックのポテトにたどり着くんでしょう。
けど私の場合は、ご飯はご飯で三食きちんと食べて、ハンバーガーやポテトはご飯とは別に完全におやつとして食べていました。
それだけでなくポテトチップスを一袋ペロリと食べたり、あとはチキンラーメンが無性に美味しく感じておやつ代わりに食べたり。
吐き気が無いので、ご飯だろうと唐揚げだろうとケーキだろうと普通に食べられるし、むしろ二人分の栄養をとらなきゃといつもより沢山食べていたぐらいでした。
ちなみにこの時好きだったのは『鬼滅の刃』『彼方のアストラ』『Dr.ストーン』『五等分の花嫁』など。
当時は『鬼滅の刃』が放送したてでそんなに流行っておらず、私がいくら布教しようとしても友人に「ふーん」と言われ相手にされないほどでした。
それが流行り始めた途端に、「鬼滅の刃って知ってる!?すごく流行ってるんだけど!」なんて激推ししはじめて「いや、だから前にオススメしたや~ん!」ってなりました。
……とまあ、そんなこんなでオタクライフを楽しんでいたのですが、そんな暮らしが健康に良いはずもなく……まんまと妊娠糖尿病の検査に引っかかってしまうのですが、それはまた次の回で。
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