『お笑い研究所（仮）』――βテスト実験版

第15話 再誕！ ジローンズ博士と助手

「やっと見つけましたね、ジローンズ博士！」

「え？　その呼び名で決定なの？　もう忘れてるかも知れないけど、私の本名は小津次郎ね」

「私の事はマリオンとお呼びください」

「どうしてもって言うならそう呼ぶけど、君の名前は確か三上晴香だったよね」

「良いんです。こう言うのは雰囲気です」

「あ、っっっそ」

「ほら見てください博士。あの黄金の像を！」

「うん、確かに素晴らしい輝きだ」

「早速、この手に取ってみましょう」

「いや待つんだ、三上君。こう言った財宝には、罠が付き物だ。だから重さが同じこの砂袋と素早く入れ替えるんだ」

「マリオンとお呼びください。それに博士がもたもたしてたので、もう手に取っちゃいました。てへっ！」

「『てへ』、じゃねぇぇぇ！！　部屋が崩れて来てるでしょ！　ねぇ、どうすんの！　これ、どうすんの！」

「取り敢えず、逃げれば良いかと思います」

「よし、逃げよう！　走れぇぇぇ！」

「あ！　博士。床に穴が開いています」

「大丈夫、こんなこともあろうかと今日は鞭を持ってきた」

「私を縛って打つのですか！」

「しねーよ！　こんな状況で！　天井の突起にこうやって引っ掛けて、ぶら下がって向こうに渡るんだ」

「こうですね。ぶらーん」

「おい鞭をこっちへ帰してくれ」

「フフフフフ、愚か者め」

「何？　裏切ったのか？　くそ、黄金像も持っていかれてる！」

「私を、女王様とお呼びなさい！」

「あー、鞭持って変なテンションに入っちゃたのね……。はいはい、女王様鞭をお返しください」

「愚かな愚民め！　パンが無ければケーキを食べればよいでしょう。これでも食らえ」

「はい、渡ったからもう行くよー」

「あ！　ジローンズ博士後ろからおっきい岩が転がってきました」

「何！　あー、ヤバい！　死ぬ気で走れー！」

　勿論、レイダース・失われたアーク（聖櫃）のパロディーです。知らない人は御免なさい。