第4話 女子高生1


 ショッピングモールで聞こえてきた女子高生の会話。


「ねぇ、リカそれ伊達眼鏡ぇ?」

「うん、そっ、だよー」


「何でしてるん」

「あたし、“眼鏡とったら美人”になりたーい」


「それ意味なくねぇ。あたしら元からモテねぇし」

「・・・・・・」


「あ、外すんだ……ねえ、リカ、待ってよー」



 その30分後。ダイソーにて。


「ねえ、アキリー、これ可愛くね」

「えー、カチューシャ。今時、無いっしょ」


「そっかー、あたしは良いと思うけど……」

「だったら、こっちの奴が可愛くね」


「それ、ペット用」



 その10分後。ビレバンにて。


「うっほー、テンション上がるわー」

「アキリー、うっさい」


「見て見て、リカ。このトウモロコシのクッション。でっけー」

「そんなの食べられないじゃん」


「いや、クッション食わねぇよ」



 さらにその30分後。フードコートの隣の席で。


「ねえ、アキリー。伊達眼鏡ってすごくない」

「んー、何で」


「いや、強いし」

「え? それ伊達政宗な」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る