第591話 全てはこの為に__
アオイが糸に絡まったハンマーを退けた瞬間に真上からレイピアが発射される。
『____っ』
言葉を出す隙さえ与えない、発射されたレイピアは光の速度を超えアオイの肩に突き刺さる。
『ったぁ……』
その速度で命中したにも関わらず腕が吹き飛ばずに刺さるだけなのはアオイの人間離れした防御力を現しているのだろう。
それに初めてダメージを受けたことで自分の怪我を確認する数秒の隙ができた。
全力を出してこの数秒の隙____絶対に失敗は出来ない!
【____】
レイピアを発射した後、俺自身もアオイに向かって飛び込んでいた。
『な__』
此方を振り向いた時にはもう遅い。
俺はそのままアオイを抱きしめた。
『あら、強引な男ね♪』
【……】
もう既にアオイの肩のレイピアは消え怪我も治っている。
『それで?どうするの?』
そのまま闇の中を2人で落ちていく……もしも地獄に落ちる感覚があるのならこんな感じなのだろう。
【……】
『キャハッ♪もう為す術ないもんねぇ?全力を出してもアナタは私を抱きしめることしか出来ない』
アオイは俺を抱き返して胸に顔をうずめてくる。
『あぁ……暖かい、心臓の音が聞こえる』
【……っ!】
『キャハッ♪この血も暖かい♪』
俺は背中にクナイを刺される。
『ねぇ、このまま落ち続けるのも飽きちゃった、何もないならこの心臓を____』
俺はアオイの言葉を遮り
『____ん』
キスをした。
【ん……く……】
『ん……ぅ……』
そして舌でアオイの唇をこじ開け……
『__っ!?』
口に入れていた小さなビー玉状の形をした“ある物”を舌で押しアオイの口に移した。
______そして____
【神・封印】
伝説の勇者の最大魔法を唱えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます