第590話 みんなの力を借りる!
『キャハッ♪なにそれ受ける〜そんなもの神の武器にないはずなんだけど?』
【これは俺が作った神の武器だ】
そのハンマーはかつての家族……アカネの武器をイメージして作られたものだ。
そして__
【お前に倒されていった俺の仲間の力を思い知れ!】
その場で野球のバットを振るようにハンマーを振る。
【トラッキングレールガン!】
1番力の入るところで出てきた黄金の杭はそのまま雷を帯びて光の速さでアオイに向かっていく。
『__っ!』
その杭はアオイの手にあるレイピアに弾かれるが想定の範囲だ!
【ハンマークラッシュ!】
『キャハッ!』
今の間に距離を詰めた俺のハンマーをアオイはレイピアの先で受け止める。
必ず貫くレイピアと絶対に砕くハンマーの矛盾が発生し式場の長椅子が消える。
『キャハッ♪矛盾が生み出すのは世界の消滅、それを利用して私を消そうって訳?』
【それで済むなら楽だったのにな!】
ハンマーを連続で振り、それをレイピアで突きながら受けるアオイ。
一回一回の攻防で周りの壁、床、天井、空、大地、空気、光____名があるもの、何もかもが消滅していく。
『キャハッ♪何この世界?何もない世界ねぇ♪』
光のない世界で見えるのは普段のアオイとは真逆の赤く光っている染まった目……それだけではアオイの行動はまったく見えないだろう。
魔法で光を出したとしても消滅してしまう__だけどな。
【見えるさ、バッチリとな】
『ふ〜ん?じゃ、遠慮なく♪』
【……】
俺は目を閉じる。
『__』
【そこだ!】
俺とアオイの武器は再びぶつかり合い攻防を始める。
『へぇ!本当に見えてるんだ♪』
【こんな所で嘘はつかない】
マジックシーリング__アンナの使っていた適正魔法、それにより俺にはアオイの身体と武器がシルエットとして見えている。
『本当に強くなったね♪リュウト』
まだまだ余裕を見せるアオイ、これだけ強くなっても尚も差が付いているのが解る____だが、俺は!
【負けない!】
少し後ろに下がり思いっきりハンマーを振り下ろした!
【はぁぁぁぁぁあ!!!】
『無駄よ____』
アオイがレイピアで受けようとした瞬間
『__っ!?』
暗闇の中から一筋の閃光が持っていたレイピアを弾いた!
その正体は__
『最初のレールガン!?』
俺が放ち受け流された杭だった。
その杭にはみやの力が込められている。
アオイに弱点はない____だから杭は待っていたのだ……“一瞬の隙を作り弱点にする”この時を!
【終わりだァァァア!】
もう邪魔するものは何もない!これで!
『残念でした♪』
だが、ハンマーはアオイに届くことは無く途中で“ネットの様なもの”のせいで止まってしまった。
『知らなかった?私も神の武器を使えるのよ』
【…………】
いや!違う!この時を!待っていた!
ネットに引っかかったハンマーを踏み台にしてその場から一瞬で高く飛ぶ。
これはあーたんの十八番、少なくともアオイは大きなハンマーを退け俺を確認するのに1秒かかるだろう____それだけあれば充分だ!
【………!!!】
エス!お前の力!使わせてもらう!
俺の手には“漆黒の弓”が握られ、もう片方には黄金のレイピア!
【__!!!!】
そのまま俺はエスの使っていた弓でレイピアを矢として放った!
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