第573話 ヒロの想い
「……」
少し遠くで爆発音が聞こえる。
やはり、あの程度では倒せなかったんだろう。
「……すぅ……ふぅ……」
不死鳥__デスフェニックス。
クリスタルドラゴンや山亀に並ぶモンスター……最初から倒すにはこれしか無い。
【武器召喚】____俺の使える最大最強の魔法。
この魔法は自分が使いたい時に使えない欠点があった。
「……」
だが、魔神は意図的に俺とリュウトの武器を出させたのだ。
「……」
つまり、条件さえ揃えば出せる。
「……」
1つ、俺は武器召喚の時に必ず思っていることがある。
「……兄さん」
もうこの世界に来たのが何年前になるのだろう。
寂しい時もピンチの時も重要な決断をする時も全部「兄さんなら」と助けられて来た。
兄さんの事を忘れたことはない……
「……アオイ」
だが……あの時、アオイが俺に放った言葉……あれは元の世界で家族しか言われたことが無い名前。
もしも、俺の予想が正しければ……兄さんはこの世界に来ても俺を見守ってくれていた。
「……」
その兄さんが今、訳の分からない奴に乗っ取られようとしてる。
「……助けないと」
………………兄さん。
…………今、行くよ。
「……【武器召喚アンリミテッド】」
俺が魔法を唱えると黒刀が動き出して目の前に浮く。
「……」
手に取ると黒刀は日本刀になる……だが、いつもと違い、その刀身は2メートルの長さになっていた。
「……行くぞ」
構え__そして
「【神・斬】」
思いっきり刀を横に振り__
この世界の太陽を消滅させた。
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