第490話 幻覚から脱出
《ライブ後》
「かんぱーい!」
「乾杯なのじゃ〜!」
深夜のホテル、アオイは友人のルカと宅飲みをしていた。
「いや〜、今日も盛り上がったねぇ」
アオイは○ロングゼロ500mlをグビグビと飲む。
「ぷはぁ!これしか勝たん!」
「アオイは相変わらず飲むのぅ」
「もちろん!楽しい事があっても辛い事があってもお酒を飲むのよ!…………あれ?」
おつまみを取ろうとする手が止まる。
「どうしたのじゃ?」
「いや……なんかデジャヴかな?同じような事を言ったような……」
「そんな言葉どこでもアオイなら言いそうじゃ」
「あはは、そうだよね、気のせいか♪あむっ」
「どうじゃ?この近くで有名なからあげじゃ」
「んー!めちゃくちゃうまいぃ、殺人的だ!」
「良かった良かったのじゃ」
「それにしても最近女の子のファン多いよね」
「いい事じゃにゃか?」
「何その口調、酔ってるの?ハハ」
「ツッタカターで反響が良かったから何とか日常にしてるのじゃ〜」
「そっかぁ、話戻るけど実は僕、女子苦手なんだよね」
「この男タラシ」
「い、いや!違うよ!そう言うのじゃなくて」
「じゃぁナンジャと言うのじゃ?女性のファンも多いし何よりワシも女なのじゃ」
「そうなんよね、ルカに対しては何も感じないのよ?だけど、なんだろ他の女の人を見ると何か心の奥がこう……うぇえってなる」
「それは、なんじゃろな?」
「うーん、それと何か大事な事を忘れてる気がする」
「まぁまぁ、そう言う時はお酒を飲むのじゃ」
「そうだね!goodアイデア!」
そのままルカと楽しく雑談をしていき、買ってきたお酒はどんどん無くなっていき……
「うにゃ〜る〜か〜、もうないの〜?」
「何を言っておる、もうス○ロングゼロを5本あけたのじゃぞ?」
「まだたりな〜い」
「まったく……」
「買ってきて〜」
「もっとネットアイドル……いや、女としての自覚を持つのじゃ」
「だ〜れが女だ〜」
「アオイは女じゃろ」
「はい〜?……………」
「まったくこれは相当酔ってるのじゃな」
アオイの心の底から何かが込み上げてきた。
「うぷ……っ!ごめん!トイレ!」
「はいはい、行ってくるのじゃ」
アオイは急いでトイレに駆け込む!
「オゲエエェエェェェェェェ!」
そして壮大に吐き散らかした。
「…………女……女……」
アオイの頭がスッキリとしていく。
「………誰が女だ……僕は……俺は……」
「男だぁぁぁぁぁああ!!!」
目を覚ましたアオイの横には吐いた跡があった……
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