第469話 音を聞いて来たのは
新装備!見た目は元の青い服をベースに太ももと二の腕にはベルトと足と手には黒い特殊なニーソックスとイブニンググローブ!そして青いマントの付け根にはペンダントの様に青く光る宝石が!
……だけど、1つ気がかりなのが……
露出、多すぎない?
前は露出していたとしても上乳と絶対領域くらいだったけど……
今の姿は何というか……すごい。
スカートは前より短くなって絶対領域範囲が延長。
おへそは出ていてチューブトップは胸の下で少しあるだけ。
そして俺のオッパイはブラとかで止まってるわけではなく真ん中をガッツリあけてベルトで胸を固定!
乳首どこいった?感覚はあるんだけど……
とにかく上半身は身体の中心線がガッツリ露出している装備だった。
{デザインは私が設計した、完璧だろう?}
「その……ありがたいんだけど、露出がすごい多くない?」
{その部分に攻撃を受けたらの話だな?さっきの質問と関連付いているこの音声通信とも少し関係があるから答えよう}
いや、単純に他の人が見てこれどうなの?って話なんだが……
{神級魔法【武器召喚】……これまでの君達の戦いを見て推測すると、その武器は出したい時に出せるわけじゃない、さらに出している間は武器に魔力を消費され続けるというデメリットがある}
「え?でも」
{あぁ、君の場合、なぜかいつでも【武器】を出せる様だね、だが他は違う……それぞれ個性がある様だ、例えばグリード代表騎士のキール様は武器はいつでも出せないがその先の派生魔法【目撃護】がいつでも発動できる}
「なるほど」
そう考えるとリュウトくんもヒロユキも何かあるのかな?
{そしてその糸を使って作ったのがあのユニタードだろ?}
「うん」
{発想は良かった、完璧だ……だが君は糸を“糸”と認識しすぎていたのさ}
「?」
{ユニタードも解析させてもらった、まぁ結果は君の身体と同じでまだまだ解析中だが、流石神級魔法と言うものか……“できない事”を探す方が難しかったよ}
「え?できない事?」
{そう、少し調べればわかることだ、君の糸で作ったユニタードは迷彩機能も出来ていた、そこで私は派生を考えたのだ____}
「あ、あのー」
俺は途中で説明を遮る。
{なんだい?}
「つまり、どう言う事?」
うん、チュートリアルで言うところの吹き出しが長いパターンだこれ
{はぁ……つまり、君は露出してると思ってるが皮膚の表面に薄い膜の様に透明な糸が覆っている、つまり君はどこも露出していない、君の下着も同じ糸で出来ているから通信魔皮紙の機能を備えている、流石にそこは恥ずかしいだろうと思っての私の配慮だ}
なるほど!つまり肌色の服着ているみたいな感じか!ってアホか!んな裸の王様みたいな!?
だけど、認めるしかない……乳首が無いんだから!
「了解であります」
{?、君、酔ってるのか?}
「あ、はは、昨日のお酒が残ってるのかな?」
{ふむ、調べてる時、アルコールを見たほうが良かったか?まぁ、影響はない、どこか威力を試せる大きな岩はないか?}
大きな岩?うーん、確かこの近くに1つあるにはあるけど……
「これとか?」
俺が提案に出したのは墓石。
みんなが死んでると思っていて恥ずかしくも1人でお墓参りしていた岩だ。
{ふむ、良い大きさだ、では何でもいいから}
「この岩を壊せって言うんでしょ?」
{良く解ったね?}
「まぁね」
何だろう、ゲームのチュートリアルとか異世界来て最初にする事を今やらされてる気がする。
{では、どうぞ}
「……」
でも俺ができることは決まってる。
「すぅ……はぁ……」
息を整え……放つ。
「……【地割れ】」
渾身の力を込め踏み込み一気に岩へ拳を叩き込む!
「あ、あれ?」
拳は岩にめり込んでしまった。
{何をやってるんだ?}
「い、いや、その……壁ドンの練習かな?」
{圧倒的すぎる力なんだ、そんなに力一杯殴ったら岩よりも拳が勝つに決まってるだろう}
え?そう言うこと?たしかに岩殴ってる感覚なかったけど勇者の力がある時でも感覚くらいはあったよ?
「それじゃぁどうしよ?」
そう言いながら岩にめり込んだ拳を抜くと、まるで柔らかいワタから手を抜く様にするりと抜けた。
{ふむ、君のイメージ範囲を広げてもらう必要があるな、その攻撃は確かアバレーで魔力が低い者たちが使う技だろう?君の場合はその逆、魔力を存分に使いたまえ、大抵のことは出来るだろう}
「え?大抵のことってあんなことやこんなこと?」
{良くわからないが戦闘全般の話だからね?}
「わかった」
と、言っても……うーん、魔力を存分に使った魔法……あ!あれはどうかな?
アニメで見た異世界転生物の技だけど……
「ふぅ……」
俺はイメージして目を閉じる。
「____【黒稲妻】」
魔法を唱えると晴天の空なのに魔法陣が上で展開され岩に向かって黒い稲妻が落ちてきてあたり一面に轟音を撒き散らしながら大きな岩を粉々に砕いた。
「音うるさ!」
魔法の凄さより近くに雷が落ちてきた音にびびるわ!こんなの!
「でも、成功したみたい……うろ覚えだったけど」
今のが発動するのならどんなものでも発動するのでは無いか?
{上出来だね、私も初めて見た技だ……威力も申し分ない}
「初めて?この装備に組み込んでるんじゃないの?」
{もちろん私の知ってるものは全部組み込んでいる、だがさっきも言った通りこの装備は出来ないことを探す方が難しいと……今のはきっと仕込まれている超級魔法の【雷】をベースに組み換えられた魔法だろう、そもそも君が少し前からその糸を使いこなせなかったのは脳の電気信号を読み取って糸が反応していたのをあの日を境に君の中の女神という途中経過ができたことでうまくそれが伝わらず__}
「その説明、長い?」
{…………つまり、君が思ったことをほとんどが、君の装備全体が読み取って実現させてくれる}
「了解!」
{私はこれで失礼するよ、本当はまだ君のことを見ていたいけど次の仕事をしないとね……通信は今回、無理やり私からしたがこれから先はよほどの事がない限り君が主導権を握っている、ちなみにだが他の人達にも繋がる、では}
そう言って通信は切れた……
「あー、つまり今からは新装備にとりあえず慣れろって事ね」
「そういうことじゃの」
「!?」
独り言を言うと後ろから聞こえる声、だがその声は俺が知っているしゃがれた声だった。
「師匠!」
「昔の友の山で轟音が鳴り響いたので来てみれば……久しぶりじゃの、アオイ」
その人は《龍牙道場》の師範……俺に技を教えてくれた師匠だった。
「はっはっは、ちょうど良い……これも運命か」
そう言った師匠の拳には赤く光る紋章が輝いていた。
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