第459話 1体1


 「あぁおい?てめーに名前を名乗った覚えはねーが?」


 「こっちも苦い思い出があるからな、むしろ調べてもほとんど情報が出てこなかった」


 「確かに、人間から集めた情報なら名前と肩書きくらいは出てくるか」


 「あぁ、お前の伝説は良い事ばかりだったけどな……」


 「はっ、反吐が出るぜ、なぁおい、俺は暴れれる場を作ってくれるって言うから暇つぶしに手伝ってやってただけだ、それをこんな紋章までつけやがってな」


 トミーの手の甲から紋章が浮かび上がる。


 「っ……それで、何でまた俺の前に来たんだ」


 「あ?決まってんだろ」


 トミーはそこら辺の木の枝を追って持つと木の枝は形を変えてリュウトの持ってるものと同じレイピアになった。


 「テメーを殺す許可が出たから殺しに来た」


 「させないっ」


 リュウトの前に手を広げてみやが前に出る。


 「あーおい?てめー……」


 「リュウトはここで死んでいい存在じゃないっ」


 「おいおい、存在じゃないならどうすんだよ?お前ごときが前に出てなんとかなると思ってんのか?」


 「…………」


 「いい、みや、下がってろ……」


 「!?、リュウトっ」


 「他のみんなも隠れて隙を伺わなくていい」


 その言葉を聞いて岩陰から出てくるリュウトのパーティーメンバー……いずれもユキ以外は武器を構えていた。


 「むしろ何もしないでくれ、コイツはみんなの存在に気付いてる、攻撃をしてきた人から殺すつもりだ」


 「よくわかってるじゃねーか」


 「…………」


 「場所がわりーな、変えるぞ」


 「……あぁ」


 「てめーらはついてくんな」


 トミーは持っていたレイピアをみやの足元に投げ地面に刺す。

 リュウトだけ来いという事だろう。


 「……」


 「……」


 トミーが歩き出しそれについていくリュウト。



 「……」


 「……なぜあの時、俺を見逃した」


 「ああ?」


 「あの時、弱かった俺を殺すのは簡単だったはずだ」


 「あーおい?お前殺すのにあの時もこの時もあるかよ、結果は変わらねぇ」


 「.………」


 「さーってっと、ここら辺でいいか」


 トミーは石を拾うと石が伸びていき金棒になった。


 「鬼に金棒って言葉がしっくりくるな」


 リュウトもレイピアを構える。





 「あーおい……テメーの全てをぶつけてこい」






 「行くぞ!六英雄!」






 リュウトは思いっきりその場から踏み込み、トミーに攻撃を仕掛けた!




 

 


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る