第289話 数の勝利

 {さぁ次は一年最後の種目です!アドベンチャー科より!《騎馬戦》!今まで他の科の競技もものともせず勝ってきたアドベンチャー科!このまま王者独占できるか!では!騎馬の入場です!}


 放送が入場を促し、アドベンチャー科が騎馬を作って入場。


 「よろしくね!みんな!」


 「よ、よろしくお願いします......」


 「前は任せろ!鉄壁の壁!マッスル!」


 「よろしくでござるよ」


 うむ、くじで決まったのはこの構成、前にマッスルと左右にすひまるさんとござるさん。


 騎馬の上に俺......いや、まじこんなポジションなったことないんだけど大丈夫かな?

 ここってすっごいマジメな奴かすっごいスポーツマンな奴かすっごいウェイな陽キャ(偏見)が乗るところでしょ?

 俺まじでこんなポジションなったことないんだけど!?

 ......今になって恥ずかしくなってきたぁぁ......


 {アドベンチャー科の合計騎は5騎!さぁ!続いてマジック科の入場です!}


 先に俺達が入場して待ってマジック科の人達が入場してくる......えーっと、1、2、3......


 フッざっと見て倍の10騎......「一人10体くらい倒せばいけるか?」という理論を言うほどではないな。


   

 {次にビジネス科です!}


 

 ビジネス科は流石の人気だ、ざっと見て20騎......え?多すぎね?


 「大丈夫かな?」


 「敵が多いほど燃えるのじゃ!あのときに比べれば鬱陶しいのもいないのじゃ」


 隣のルカはかなりやる気みたいだ、うんうん良いこと。ん?


 「あのとき?」


 「あ、いやなんでもないのじゃ!」


 「そっか?」


 ルカは時々すごい壮絶な過去を通ってきてるのではないかと言う発言をするよな、人の過去だからあんまり深入りはしないようにしてるけど気になる。


 {ルールは簡単!相手の騎手のハチマキを取ればその騎馬は終了!今回は魔法を使えるのは自分の身体を強化できる魔法のみ!そして他の科がいなくなった時点で終了です!}


 つまり、制限時間がないぶん逃げ続けてもダメって事か......


 {それではスターーーートおおぉ!}


 パァンと炎魔法の花火がなり一斉に動き出す............ってあれ?



 「ねぇ、なんかあの二つの科一直線にこっち来てない?」


 「の、ようなのじゃ......」


 マジック科とビジネス科の騎馬は途中で戦うことなく全員大きな壁となってこちらに来ている。


 {さぁやはり狙うのはアドベンチャー科!それもそのはず!現在アドベンチャー科はトップ!ここで落としておかなければ優勝確実です!それならば!敵の敵は味方!ここは共闘という手段をとりました!}


 「っ!みんな逃げて!」


 その言葉でそれぞれの騎馬がバラバラに逃げる......がグランドではやはり逃げ場は限られ全員一騎ずつ囲まれてしまった。


 「な、なによこいつら!」


 女リーダーの騎馬がやられた!


 {アドベンチャー科!一騎脱落です!}


 「大人の人達こわすぎる!」


 若い子の所には大人数の大人の騎馬が!そしてやられた!


 {さぁ!また一騎脱落!}


 「く、くそぉ!くじでルカ様の太ももを堪能したかった!マッソゥ」


 マッスルのパーティーメンバーの一人がやられた!


 {どうするアドベンチャー科!残りは美女二人!可憐に咲く花達は美しく散るのか!それとも散らずに咲き誇るのか!}


 ル、ルカは!ルカはどうなんだ!

 見るとルカの騎馬もすごい数囲まれていてもはやジ・エンド......ヒートエンド......

 だがルカは何故か燃えていた。


 「フッフッフよくぞここまで来たのじゃ残るはワシ一騎のみ......かかってこい!」


 いや、一応俺も居るよー?


 「とりゃぁ!おりゃぁ!あ、ちょ、あぁぁぁぁあ......」


 ルカは最初の数人とった後に消えていった......さようならルカ、君のことは忘れない。







 「............」


 残りのみんなが此方を見てくる。

 




 「..................優しくしてね?」




 

 {ここでアドベンチャー科全て騎馬を失いました!敗北ぅ!}








 ............まぁ、俺に向けられてるのが剣じゃないだけマシだね。










 ちなみにその後2年生先輩が頑張ってくれて体育祭は無事アドベンチャー科の勝利でおわった。

 







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る