第263話 ヤンキー先輩こわい

 「あー?今度は遅刻しないでき......ッ!!!?」


 「はい!今度は遅刻しませんでした!」


 「お主がアオイが言ってた先輩なのじゃ?」


 今回はルカを呼んで余裕をもって行けた。

 ちなみにだが、会議にさっき遅れたのは先生があるのを忘れていてお知らせを聞いたのが18時5分......つまりどうあがいても遅刻決定してたからだ。


 しかし、どうしたんだろ?先輩が俺とルカを見た瞬間固まってしまった......


 「あ、あの?先輩?」


 「のう?アオイよ、こいつは何故口を開けたままワシ達を交互に見てるのじゃ?」


 「うーん、さっきもこんな感じだった気が......」


 「あーーーー!うるせぇ!てめーがアオイの友人か!」

 

 「いかにも、そうなのじゃ」


 先輩は頭を振り硬直を解いてルカに話しかける。

 ※ちなみにこの時アオイとルカは知らないが先輩は二人のおっぱいに魅了されてた。


 「まぁ、いい、お前も見てろ」


 「む」


 「お前」と言われてルカはちょっと怒り、わざわざ先輩の前に出て意識はしてないが胸をつきだし腕を組み仁王立ちをする。


 「ワシの名前は『ルカ』じゃ!「お前」呼ばわりするでないのじゃ!」


 ふんすっ!という言葉が似合ってる表情をしてルカは先輩を睨み付ける。

 ......いやいやいやいや!やめといた方がいいって!相手ヤンキーだよ!こわいよ!ほら!先輩の顔も......あれ?なんか顔赤くしてそっぽ向いてらっしゃる?


 「うるせぇ!わーたよ!ルカだなルカ!ルカにアオイ!ついてこい!」


 「解れば良いのじゃ」

 

 ふふんっ、とルカは先輩の前を退いた......いや、名前そんなに重要?まぁ、あれか、お母さんにつけてもらった何か思い出深い名前なのかな?


 取り敢えず先輩に付いていくこと10分くらい。

 話もしなくて歩いてるので気まずい......


 「そ、それで、先輩どこにいくんですか?」


 「あー?」


 「ひっ......」


 こええぇ、顔こえぇ......やめてよ、学校で普通にオタク友達しかいなかったんだからヤンキーは苦手だよ......あの頃はそれ以上に女子が苦手だったけど......


 「......俺のなんでも箱に来てたんだよ......これが」


 ヤンキー先輩はおそらく【なんでも箱】に入ってたのであろう魔皮紙を渡してきた。

 えーっと、なになに?


 「放課後、体育館裏で待つ......これだけ?」


 裏を見ても差出人の名前もない......筆跡は女っぽいが。

 え?俺の字?汚いよ。あぁ、聞いてないか。


 「あー......まぁ、果たし状だ」


 「え?」

  

 何その昭和みたいなノリ。

 

 「だから今からそいつをぶっ潰しにいく」


 うわぁ、まじか......ヤンキーの喧嘩?


 「で、でも、ほら告白とかじゃないんですか?」


 体育館裏って定番だと告白だよね?いやむしろそっちであってほしいんだけど!


 「あー?」 


 「ひっ!」


 めっちゃ不機嫌そうにヤンキー顔を此方に向けられて俺はヒヨってルカの後ろに隠れた。



 「どうしてワシの後ろに隠れるのじゃ......」

 

 だってー......オタクの俺にはヤンキーの顔は無理です怖すぎです刺激強すぎです。

 すごい失礼なことをしてしまってるが、ヤンキー先輩はまた前を向いて歩きだし答える。


 「そうだとしても、俺より強い女じゃねーと駄目だ、俺達は冒険者になるんだ、異性が居るパーティーは崩壊する」


 「ほえぇ......?」


 「のじゃ?」


 「現状、異性の居るパーティーはほとんどない、女関係でパーティーが崩れたりすることや、男を取り合ってパーティーの他の女をどさくさに紛れて殺す女。小さいことから大きいことまでトラブルが多い......その点異性が居なければそう言うことがないからな」


 なるほど、吊り橋効果だっけ?冒険者は命をかけてる職業だから発動しやすいのかな?

 

 「あー......まぁ、絶対って訳じゃないが常識だな、俺より強い女が居たら俺はそいつの言いなりになってやるよ」


 「ほーう?潔いのじゃのう?」


 「負けたら負けなんだよ、その相手が女であってもな......俺のパーティー残り三人もボコして手にいれた」


 ボコして手にいれたって何それ!?ドラク◯感覚!?

 相手喧嘩して勝ったらいい勝負だったなって友情が芽生えるパターン?


 ないからね!!!!現実でそんなこと!!!

 少なくとも俺は知らない!ヤンキーわかんないよほんと!


 と言うか、良く考えたら俺の周りのパーティー男女混合パーティーしかいないんだけど...... 

 ま、まぁ、俺達は異世界から来てるから多少常識は通用しないのかな?


 「ほーう?ボコして、仲間をのじゃ」


 なんかルカはその言葉を聞いてその手があったか!って感じの顔になってる。

 帰ったら絶対に違うって言うのを忘れないようにしよう。


 「あー、それより着いたぞそこら辺で隠れとけ」


 体育館の裏に行く前に俺とルカは木陰に隠れて見ると、ヤンキー先輩の前には一人。







 白い特効服を来た、俺と同じ金髪のスケバンが座っていた。



 




 なんか、いきなり別のアニメ始まりそうなんだが......


 




 

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 《モンスター》


 ミクラルではモンスター。

 グリードでは魔物。

 アバレーではアヤカシ。

 と呼び名が違うが対象は同じである。


 これは、一説によると大昔。

 まだ、転移魔法陣が開発されてなく、ギルドもなかった時期にそれぞれ別の場所に居た人間達が呼んでた名残であるとされている。


 教科書 P3

 


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