第227話 開戦!
「【山亀】!射程圏内まであと10!」
すべての設備が準備完了し、もはや世界樹は元の姿より落書きだらけの世界遺産のようになっていた。
そして、開戦まであと少しを切った。
山亀はスコールを発生させながらその姿を獣人達の前に表した。
モニターに映し出されてるのはまだ街の先端にも来ていない遠いはずの山亀だが、それでもその大きさゆえにすぐ目の前に感じる。
「さぁ、あやつらを信じたんじゃ、それに答えてくれよ」
「お母様、彼女達は......」
「我らからすればあやつらが死のうが関係ない」
「......」
「......まぁ。あの赤髪の娘は救ってやるかの」
「【山亀】射程圏内まであと5......4......3......2......」
「発射じゃ」
「【零式対山亀砲】発射!!!」
世界樹から放たれたレーザーは真っ直ぐと山亀に向かっていき、山の中心を貫こうとしたが
「っ!対象!何か結界のような物でダメージなしです!」
「ふむ、やはりあの小娘の持ってきた本は本当の事を書いてあったそうじゃの」
「お母様?本?」
いまは姫の質問に答えてる暇もないのか、すぐに女王は指示をだす。
「零式に魔力を充填しつつ他の波状攻撃に移行!やつの結界は無限ではない、必ず隙ができるはずじゃ!そこを狙ってもう一度零式で撃つ!」
「解りました!各位聞いたな!【一式対六十連続射撃雷】と【二式百連迎撃朱天砲】発射!三番隊は零式に魔力補充!」
世界樹から放たれた雷と圧縮された魔力の塊の雨が山亀に向かって結界に命中をする。
ほとんどが攻撃を通していないが数発ほど結界を通り抜け山に命中し地面を抉っているのが見える。
「手応えあり!しかし致命傷にはなりません!」
「そのまま続けよ!零式のタイミングは妾が指示を出す!そなたらは射程圏内に入ってきたもの全て撃て!」
「はっ!」
「ここから少し席を外すがモニターで通信しながら指示をだす!姫!お主は世界樹の魔方陣をまた見て精度を高めよ!」
「はい!お母様!」
自分専用のモニター通信魔皮紙を置き女王は自分の女王の間に戻る。
「さぁ、貴様達の出番まで後少しじゃ、大丈夫なんじゃろうな?」
{ふふ、我らを誰だと思ってるんですか、それよりちゃんと住民の避難は出来ましたか?}
机に置いていたユキの通信用魔皮紙がモニターになり答える。
「現在、避難はとっくに完了しておる、我が国には金もたっぷりあるからの、好きにするといい」
{解りました!好きにします!}
プツッと切れてまた魔皮紙に戻って机の上に落ちる。
「見せてもらうぞ、人間。」
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【山亀】到着まで後一日
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