第199話 いざ!(また)アバレー王国へ!


 「おはよう~」


 「おはようございます、たまこさん」


 「……おはよう」


 たまこが起きてくると2人とも既に起きていて、それぞれ朝ごはんの支度と武器の手入れをしている。


 「みんな早いわね~?」


 「お母さんはもっと早くに起きてました!」


 「……兄さんがなかなか起きない人だったから早く起きるようになった」


 「そう〜?」


 たまこは欠伸をした後、寝癖が酷い尻尾をブラッシングをしていく。


 「……」


 「な~に~?ヒロユキさん〜?女の子の尻尾なんてジロジロみるもんじゃないわよ〜?」


 「……?」


 「獣人の尻尾はアナタ達で言う所のエッチな部分と同じなの〜、だからそんなに見られると照れちゃうわ〜」


 「……すまない、モフモフしていて、つい」


 「触りたいの~?駄目よ~?獣人の尻尾は性感強いんだから〜……それとも責任とってくれるの〜?」


 「……」


 ヒロユキはそれを聞いてすぐに目を逸らして武器の手入れを再開する。


 「ヒロユキさん、ムラムラして、どうしてもと言うなら……その……私の胸でも揉んで落ち着いてください」


 「……ユキに胸はない」


 「うぐ!私はまだ大きくなります!きっと!」


 「……何歳だっけ?」


 「秘密です!」


 「そうよ〜女の子に歳を聞くなんてダメよ〜?」


 「……」


 女2人だと分が悪いと判断したのかそれ以上ヒロユキが喋ることも無かった。


 

 少ししてユキが机の上にご飯を並べていく。



 「ご飯を食べたら色々と整理しましょう、まだ私も病院で寝ている間の事を詳しく聞いてませんでしたし」





 ____ご飯を食べ終わった後、ヒロユキはユキに状況の説明をした。



 ミクラルでブルゼを倒した時の事。

 その途中でジュンパクが瀕死の傷を負った事。

 【武器召喚】が出来たこと。

 ナオミがプロポーズしてきて断ったら泣きじゃくって大変だった事。

 たまこに会うまでの道のりと会ってからの事。


 「なるほど、そんな事が……というか、その時だけですか?武器召喚出来たのは」


 「……うむ」


 「となると、何か条件があるんですかね」


 「……解らない」


 「この件は今後考えて行きましょう、次はたまこさんですね、昨日言ってた“龍牙道場”の事ですが」


 龍牙道場__たまこの知り合いが展開してる道場で強くなりたい者が辿り着く場所でその中でも入門出来る人が限られているらしい。


 「たまこさんの力で中に入れませんか?」


 「う~ん、一応頼んでみるわ~望みは薄いけど~」


 「ありがとうございます!いざ!アバレー王国へ!」


 「……結局また戻るのか」







 その後、ユキの長い身支度の後、ギルドで入国審査を受け、ヒロユキ達はアバレー王国に戻ってきた。














 


 

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