第178話 グリード代表騎士キール!
目の前の騎士はカッコよく自己紹介を決めると再び前に向き直した。
「ガルルル……」
黒い狼は喉を低く鳴らし、突如出現した騎士を睨み付ける。
警戒しながらこちらを見ずに騎士は話す。
「アナタを探してました、グリード王国まで連れ戻します」
俺を?グリード王国と言うことは、これはサクラ女王の助けと言う事か!
「あ、あの!」
でも俺の中で出た感情は嬉しさでも助かったと言う気持ちでも無く__焦りだった。
「この子を……この子を救ってくれませんか!」
そう言うと騎士は此方を一瞬向いて固まった。
「っ!?、その子は!!」
「ガゥ!」
その一瞬の隙を黒狼は見逃さず、鋭い牙で下から騎士__キールに飛びかかった!
「くっ!」
とっさにキールは盾を構えたが、黒狼は盾に噛みつき引き剥がそうとしている。
……一見タオルで引っ張りあいこする犬と飼い主みたいに見えるがきっと俺なら腕事持ってかれてるくらいの力だろう。
「状況は!」
「出血が止まらなくて……たぶん、骨も何本か折れていて息も弱いです」
「くっ……この!」
キールはその場で一回転して盾を投げると黒狼は盾を噛み付いたままだったので慣性が働き壁に投げだされ激突する。
「これは緊急用の【治癒】の魔皮紙です!しかしこれは止血と輸血程度で潰れた内臓などは戻りません……それとこっちは洞窟などで迷ったときに入り口まで転移できる魔皮紙、私が入ってきた所まで転移できるので真っ直ぐ行けば何とか町までいけます!」
「あ、ありがとう!」
再び黒狼が動き出す。
「アオイさん、絶対……絶対その子を死なせないでください!私の____」
「ガゥル!」
ガチン!と言う音が響く、牙を剣で弾いた音だ……なんでそんな音するんだよ……
「早く行ってください!」
「はい!」
魔皮紙に魔力を流すと身体が光だし目の前が真っ白になった。
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