第161話 朝食!
《8:00》
俺は眠たいながらも何とか体を起こしてユキちゃんを起こさないようにソッと部屋を出る。
「ふぁーあ……まだ眠いや」
外を見ると霜が溜まっていた。
山の中の朝は気温が低いのだろう、だが!
「服、あったかいなぁ」
実はちゃっかりこのグリードで支給された服、性能がすごかった。
どんな気温でも身体の温度を常温に保ってくれるのだ!
下はスカートなのに肌露出してる部分もあったかい!
まるで暖房器具を着てるみたい……ちなみに暑い時は冷たくしてくれる。
ちょうどおじいさんもどこかへ行くのか服を着替えて出てきた。
「おはようございます、マスター」
「起きたか、早いのぅ」
「はい、朝はユキちゃんのご飯がありますので」
「うむ、普段はワシが作るのじゃが、お前に任せるぞ、少し出掛けてくる、頼んだ」
「はい、お任せくださいマスター」
「あと、ユキの前でワシをマスターと呼ぶんじゃないぞ?おじいちゃんといいなさい」
そういっておじいちゃんは出ていった……
「さて、とまずは材料の確認っと__」
冷蔵庫を開ける。
実際見た目は白い見慣れた冷蔵庫だが、電源コンセントなどが無い。
「電気を使わないって便利だよね、外にも持ち運べそうだし……ってまぁこんなの持ち運ぶ奴いないか」
そういや、○ムとジェリーの猫と犬が冷蔵庫そのまんま持って逃げてたシーンあったな。
冷蔵庫の見た目は変わらないが、中の食材は見たことないものが一杯だった。
何となく解るものはある。
「この卵とか、なんでこんな毒々しい色してるんだろ?本当に食べれるのかな?それにどれが飲み物で調味料なのかも解らないし、やっぱり早起きして正解だったね」
そこから少し舐めたりして味を確かめたりする作業を行った。
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《9:00》
「ふぁ~」
「ユキちゃん、おはよう」
ユキちゃんが目を擦りながら起きてきた。
「うん!おはよう!おかぁさん!」
「顔洗って来なさい?」
「はぁい」
トテトテと流し台の方へ行ってる間にお皿を準備して並べる。
とりあえず作ったのはなんちゃってベーコンエッグトーストだ……“なんちゃって”と言うのは、これが豚の肉なのか解らないからベーコンの部分が不明だからだ。
ちなみに食パンは普通にあったので使わせて貰った。
「とりあえず食べても大丈夫そうだったけど……あとはユキちゃんの口に合うか……」
奥でシャーッと水の流れる音が聞こえる。
あぁ、ほんとこの世界は魔法を使うのが当たり前なんだなぁ……ユキちゃんくらい小さい子でも水出せてる。
ちなみに料理するとき火を魔力で調節の仕方わからなくて天井焦がしちゃったので
「結局、外で焚き火してそこにフライパン持っていって調理するはめになってしまった……」
当分の課題は火の調節かな……
「わぁ!何これ!おかぁさん!」
気がつくとユキちゃんはもう座って目の前の朝ごはんを見ていた。
「えーっと、ベーコンエッグトーストって言うんだけど」
「初めて聞いた!食べていい?」
「ちょっと待ってね、食べる前にいただきますしなきゃ」
「いただきます?」
「あれ?知らないかな?こうやって手をあわせて」
「こう?」
「そうそう、そしてこの食材になった命に感謝をしながら「いただきます」って言うんだよ?」
「わかった!」
「いい?じゃぁ一緒に?せーの」
「「いただきます」」
ユキちゃんがフォークを卵に刺すと中から半熟になった黄身が垂れてきてベーコンとトーストにとろっとかかっていく、よし!半熟は成功してる!
そしてそのままユキちゃんはかぶり付くとそのままガツガツと一瞬で食べきってしまったり
「お、いいくいっぷりだね」
「おいしぃ!」
「ふふっ、ありがと、お口についてるよ?」
ユキちゃんの口を布巾で拭くとユキちゃんも嬉しそうに
「おかぁさんありがと!」
といってニカッと笑顔を見せてくれる。
かわえぇのぅ。
「えへへ~」
撫でてやると本当に嬉しそうにする、普段はどんなの食べてたんだろ?
「お母さんの分も食べる?」
「え?いいの?でもおかぁさんの無くなっちゃうよ?」
「気を使ってくれてるのかな?ふふっ、じゃあこうしよう?」
俺は卵を割って黄身がかかったトーストを半分にした
「これでどっちも食べれるね?」
「うん!」
「あと、何か人に貰ったときや、嬉しいことしてくれた人には「ありがとう」って恥ずかしくても言うんだよ?」
「おかぁさんありがとう!」
「良くできました!」
朝食はこんな感じで無事終了した。
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