第156話 ギャンブルに手を出す!


 「カジノ……」


 カジノと聞いてあまりいい響きがない、私が奴隷になった元凶だ。


 「あ、ご、ごめん、私なにも考えてなかった……」


 私の顔色を見てか、姫ちゃんは「しまった!」という顔をして謝罪してくる。


 「いや、いいですよ、私は実際行った事ないけど、やり過ぎなければ娯楽として楽しめるって聞きました」


 「ほんと?無理しないでいいんだよ?アカネちゃん」


 こう言う時、どう言えば良いんだろうか……妹ちゃんは……こう言うとき妹ちゃんなら……


 「ふふっ、荒稼ぎしよ?」


 その言葉を聞いてポカーンと姫ちゃんはしてる。

 それもそうですよね、いきなりこんな事言ってきたら__


 「わかった!じゃぁ行こ!」


 あ、どうやらうまくいったみたい、流石妹ちゃん!


 私達はカジノに行くことになった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 《カジノヒツージ》


 《建築ウッド》と言う特殊な木で作られた建物の扉を開けると中から耳を塞ぎたくなるような大きな音が飛び交い出した!

 うにゃぁぁー!耳がぁ!


 「すごいね!あかねちゃん!」


 「え?なんて言いました!?」


 2人で大声で話すのだがどうも中々聞こえないので手の仕草で何とか伝える。


 「あっちが気になる!」


 指さした先では何やら玉を転がしてる。

 何だろう?と見てるとそのテーブルに居たおじいちゃんが話しかけてきた……周りはうるさいがおじいちゃんの声はなぜかよく聞き取れた。


 「ほっほっほ、お嬢さん達これはディーラーが転がした玉をどこに入るか当てるゲームじゃよ、ほら、ここにギルドカードを差し込むと選べるようになるじゃろ?」


 そういいながら、おじいちゃんは自分の席についてギルドカードを差し込むと赤と黒の数字が入った点が光る。


 「なるほど、つまり予想をして当てるんですね」


 「それと、ほれ、お主たち、これを使え」


 おじいちゃんは私たち2人に魔皮紙を渡して来た。


 「これは?」


 「初めてじゃろ?カジノに来るのは、その魔皮紙はそう言う人たちの為に作られたものじゃ、使ってみぃ」


 魔皮紙に魔力を流すと腕に張り付いた……すると


 「アカネちゃん?」


 「あ!ひめちゃんの声がすごくよく聞こえる!」


 姫ちゃんの声どころか他の人の声もすごくよく聞こえだした。


 「それは獣人専用の【雑音遮断】の魔皮紙じゃ、獣人は耳が良いのが多いからのぅ、こう言うところに来れば慣れるまでみんなそれをつけておる」


 「なるほど、ありがとうございます」


 「なーに例はいいさ、それより、やってみるか?」


 「これなら簡単そうだね?アカネちゃんやってみよ?」


 「そうですね、えと、これでいいのかな?」


 私と姫ちゃんは隣どうしに座りギルドカードを差し込む。

 席の前についている赤と黒の点が光り、押すと賭け金を入力するボードが出てきた。


 「お嬢さんたちは見たところ獣人だから規則で5万までしか最高賭けれないみたいじゃな」


 「え、あなたは違うんですか?」


 「わしは人間じゃからそういう上限はないんじゃよ、それにほれ、ワシの方は数字があるじゃろ?」


 「本当ですね?」


 よく見ると私たちは“赤”と“黒”だけに対しておじいちゃんの所には“赤の1”や“黒の1”など予想するところが多かった。


 人間と獣人ではよく分からないけど何か違うみたいだ、初心者なのでそんなに深く考えないようにした。


 「アカネちゃんどうする?私は取り敢えず最初は1万で……」


 「では、私は5万を赤に入れます」


 「アカネちゃん!?」


 5万など安いものだ、1つの依頼が最低でも20万ほど入ってくるので貯金がいっぱいある。

 

 私にとって痛くも痒くもない!


 「ほっほっほ、勝負師じゃの、ではわしは10万を黒の5に賭けるかの」


 「えええ!?じゃぁ……わ、私は1万を赤に……」


 

 ディーラーの獣人はみんながベットしたのを確認して


 「では、始めます。」


 運命の玉を転がした。

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