異世界に転生したら女になっていました！

第154話 アカネのあやまち！

　「そっか……アカネちゃん……」

　「大丈夫ですよ、そんなに暗くならないでください、今は大切な人も出来て幸せです」

　「うん……その、ごめんね？さっきは無責任なこと言って」

　「気にしてませんよ、それに奴隷だった時の事を話せるのはひめちゃんしか居ませんからね」

　「ふふっ、周りに同じくらいの歳の人いなかったもんね」

　「そうですね、ふふっ」

　「でも懐かしいなぁ、アカネちゃんに会えるなんて思いもしなかった」

　「私もです、まさかこっちに来て1日目で会うなんて奇跡ですよ、そうそう懐かしいと言えばひめちゃん尻尾二本あるんですよね、思い出しました」

　それを聞くとひめちゃんは「えっ！？あ……えーっと」と少し周りを警戒して顔を赤くしながら小声で此方に話してきた。

　「しーっ、その事は秘密だよ、女の子がむやみに尻尾の話したら淫乱と思われちゃう」

　「あ、ごめんなさい、つい言っちゃいました」

　そう言えば、奴隷はともかく普通の獣人は尻尾ははずかしい部分って言ってましたね。

　ちなみに私は尻尾は出さないで腰か太ももに巻いたりして隠してます、何気に本能的にリュウトさん以外見られるの嫌だったから結果的に合ってましたね。

　「そう言うこと！だから尻尾の事はＮＧね！」

　「分かりました」

　「あと……敬語じゃなくていいよ？私たち友達なんだし！」

　「う……うん、わかり、……わかった！」

　「うん！よろしい！」

　敬語は奴隷時代の時に小さい頃から叩き込まれたので敬語じゃないのを意識しないで言うのは少しかかりそうだ……妹ちゃんの前とかなら自然に出来るのに……

　「その、リュウトさん？の手続きが終わるまでこの国を案内するよ！とりあえず今日はありがとね？私も少しこれから行くところがあるから明日またここで待ち合わせしよ？」

　「はい……あ、うん、わかったよ」

　「ふふっ、じゃぁお代は払っとくからまたね！」　　

　そういってすぐに立ってお代を払いどこかへ行ってしまった……よほど急いでいたんだろう、長い話しちゃって申し訳なかったな。

　「さて、私も自分の仕事に戻ります、リュウトさんたちが来たらすぐに動けるように！」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　大昔の子供の頃の友達、アカネと別れた後、少し離れた森のなかで《ひめ》の元にコウモリの獣人が三人、前で膝をついていた。

　「“姫”様、困ります、このように城から抜け出されては」

　「悪かった、だけど昔の友達に会ってね、すごい情報を教えてくれたわ」

　「情報？御言葉ですが私どもはその線のエキスパートです、どんな情報かわかりませんが下の者から得た情報など＿＿」

　「あ？」

　その瞬間、姫から放たれた魔法は一匹のコウモリの獣人の頭を吹き飛ばす。

　「！？、姫様！何を！」

　「私の“大切な家族”を下の者と一緒にするな、次にそんなことを言えば貴様らの種族を根絶やしにするぞ」

　「し、失礼しました」

　動物とは、簡単だ強いものが上に立ち、弱いものは従う、そして《愛染の姫》は圧倒的な前者であった。

　「そ、それで、その情報とやらは……」

　「うむ、色々とあるけど、まず緊急でやる事が１つ」

　「それは？」

　「リュウトという人間をこの国に入れるな」