第120話 ヒロユキパーティー!

 《ミクラル王国 モグリ邸》


 「これが【フレイムマルク】の素材の一覧です」


 時刻は朝方、色々あったもののヒロユキ達は無事依頼を終えてその素材を提供して欲しいという人物の所へ来ていた。


 「いっぱいあるな」


 「モグリさんの所ならこれだけあっても足りないのではないですか?いるだけ持っていってください♪」


 「ありがたい、しかし何で俺の名前を知ってるんだ?まだ名乗ってないが」


 「あ、い、いえ、ほら!あなたは有名ですから」


 「流石ユキの姉貴!何でも知ってる!」


 にこやかにユキを持ち上げる発言をするのは白い髪で眼帯をした小さな男のジュンパク……彼はヒロユキ達のおかげで一命を取り留めた後、色々あってヒロユキパーティーに入った。


 「悪い意味で俺は有名だからな」


 「テメーの噂は海賊であるミーも震え上がるぜ、いい商売してるなぁおい」


 「こら!ジュンパク!失礼すぎますよ!」


 「いてっ」


 ユキがジュンパクの頭を思いっきり殴ってゴツっと鈍い音がなる。


 「構わんよ、そう言うのは気にしてない」


 「そんな……モグリさんほどいい人は居ませんよ、お母さんも言ってました」


 「俺は君のお母さんに会ったことあるかね?」


 「あ、いえ!何でもないです」



 「ふむ?まぁいいか……とりあえず此方でリストを確認して必要な数を受けとるから待っていてくれ」


 「はい、分かりました!」


 話を終わらせてユキとジュンパクがヒロユキの元へ来る。


 「……ユキ」


 「なんですか?トイレですか?」


 「……そう」


 「普通に当たりなのがびっくりです」


 それを聞いてモグリは声をかける。


 「あぁ、トイレなら奴隷に案内させる、おい、誰かいるか?」


 「お呼びですかーマスター」


 呼ばれて来たのは狐の獣人。


 「この方にトイレの場所を案内してやれ」


 「わかりましたー」


 「……よろしく」


 「ミーも付いていくよ!兄貴!」


 「……お前はいい」


 はぁはぁ言いながら付いてこようとするジュンパクを置いて、狐の獣人についていく……ちなみにトイレを案内する相手が女でも何も思わないのがヒロユキだ。


 トイレに行く途中に金髪の小さな来訪者に出会う。


 「せんせー、あおいせんせーが居ない~」


 「あらあら、ミーちゃん?探しに来ちゃったのー?」


 「うんー」


 「アオイ先生はちょっと忘れ物を取りに行ってるのよー?」


 「……アオイ先生?」


 「最近入った新人の奴隷ですよー」


 「……まさかな」


 ヒロユキは頭の中である人物を思い浮かべるが流石に人違いだろうと割り切る。

 

 「?」

  

 「おにいさんだぁれ?」

 

 「こーら、この人はお客さんよ?」


 「おにいさんアオイ先生と同じ匂いがする」


 ヒロユキをクンクンしている所でミーちゃんを探しに来たウサギの獣人が奥から出てきた。


 「こら!ミーちゃん!お客様に失礼しちゃダメなんよ!」


 「あ、ルクス先生ー」


 「ごめんよ、あたいが少し目を離した隙に……ほら帰るよ」


 「いや!アオイ先生がいい」


 「困ったわねー」


 「……案内はいらない、場所さえ教えてもらえればいい」


 「そうですかー?トイレはそこの角を曲がればすぐあるのですいませんー」


 「ほら、行くよ」


 「やー!」


 暴れる子供を狐と兎の獣人で抱えていった……

 

 「……子供か、兄さんが居たら騒ぎそうだ」


 そんな事を1人で言いながらトイレを済ませ、部屋に帰ろうとすると__




 「……地震?」




 突如床が揺れ始め崩れるのではないかと言うほど音を立て始めた!


 「……強いな」


 

 揺れがおさまり、動こうとすると__

 


 



 「ここに居ましたか!ヒロユキさん!今すぐ武器を持って外に出てください!」


 「……ユキ?どうした?」


 




 「嫌な予感がします!」

 


 

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る