第115話 何かの予感!
《数日後》
「だいぶ楽になったな……」
時刻は22時か23時頃だろうか、2日、3日の峠は越えたみたいで症状は良くなってきていた。
………………この感覚、血の匂い……女になった代償……
__女の子の日が俺を襲っていた。
「水……」
もう慣れた手つきで机の上にあった魔法陣の上にコップを置き、魔力を通し水を入れる。
「ん、ん……ぷはぁ、美味しい、まぁ水だけど____っ!」
急に今までに無いほどの頭痛が来て目を閉じてうずくまる。
パリンッとコップを落として割ってしまうがそれを考えられないほど痛い!
「大丈夫!?」
コップが割れる音を聞いたルクスさんが慌てて入ってきた。
「アオイ!アオイ!」
「うぅ、あ、頭が……痛い」
__そして俺の頭の中に何かが見えてくる。
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なんだ……ここは……
水の……中?
__助けて。
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______
頭痛が無くなっていく……
「はぁ、はぁ……」
「落ち着いたねんな?アオイ」
「ルクスさん……」
何だったんだあれは、でも、嫌な予感がする。
「……」
「……」
「アオイ?」
「あの声……どこかで……」
「声?」
思い出せ……さっきのは人生初めての体験、元の世界では、あり得なかったオカルト現象。
あの声……声……
「あ……」
「?」
思い出した……俺がサインをあげたメイドの先輩だ……確か名前をペロル先輩!
「おーい?アオイ?聞いてる?聞こえてるねんな?」
「…………………行ってみるか」
「行く?どこに??」
何もなければそれでいい。
だけど、あの感覚は本当に……何というか……リアル?
だから、今ここで動かないと__
「寝覚めが悪くなるんだよね」
「?」
「ルクスさん、お話があります」
「あたいに?え?告白?」
「いや、それは違いますが……」
「じゃぁ、何?」
「その……元々居たお屋敷に忘れ物したみたいで、今から取りに行こうと思うんですけど」
「今から?明日の朝からでもいいじゃない?」
「いえ、今から」
「う、そんな真剣な顔で見られると」
ルクスさんは少し恥ずかしがった後に少し考えて__
「あ、あたいは許可出せないからモグリマスターの所へ行こ?」
「分かりました」
「じゃぁ着替えてて?モグリマスターに連絡とってみるねん」
新しいメイド服に着替えていたらルクスさんが連絡をとってくれた。
あれ?そう言えば
「ルクスさんの目、そんなに青かったですかね?」
「あ、これ?あんたの目の色のカラコンねんよ?」
「そ、そうですか」
なんか自分を真似されるって恥ずかしいな。
「先に行って連絡しとくから後で来るねんよ〜」
「はい!」
そのまま下着などを着替えて医務室を出てモグリマスターの部屋へ。
相変わらずでっぷり芋虫でコワモテだけど、子供達からしたら園長の様な扱いで時々子供達と遊んでくれるのだ。
今なら言える、この人は根っからいい人だ。
「よくきた、話は聞いてる」
「はい」
「その忘れ物はどうしても今日なのかね?」
「はい、ちょっと取りに行くだけですので迷惑はかかりません」
「直接通信して届けさせれるが?」
「それは……そうですが」
「……何しに行くんだ?」
「その……聞いてほしい事があるんです」
隠し通すのも無理だと思い、さっきのことを話した。
「……」
「何もないなら無いで良いんですが」
「良いだろう、許可する」
「良いんですか?」
「いいさ、だが絶対に帰ってこいよ?逃げたら許さんからな」
ふふ、たぶん逃げてもこの人は捜索などしないだろう、するとしたら迷ってるのではないかと心配してするくらいだ。
「はい!ありがとうございます!」
「それと、メイド服はやめとけ、夜だと目立って襲われる可能性がある」
「分かりました、失礼します」
部屋を出たらルクスさんが待ってくれていた。
「…………子供達が心配するからちゃんと帰ってくるんよ?」
「はい!」
そう言って俺は部屋に戻り。
メイド服を脱ぎ。
長いソックスにガーターベルトも装備し準備完了!
異世界に来た時貰った青い服に身を包み、屋敷を後に俺は歩きだした。
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