第52話 最終試練!
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32番 トカゲ
33番 ライオン
34番 ネコミミ
35番 アオイ
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私は奴隷No.34番。
真っ赤なこの髪が特徴の獣人です。
アバレー王国のどこかで産まれたけど本当の父と母は解らない。
捨て子だった私は農家の人に拾われ、奴隷と同じ様な扱いを受けながら育ちました。
父は《ギャンブル依存症》だった。
なのでいつもいつも父と母は喧嘩をしていて怖かったです……母が出ていった日もギャンブル行っていて帰って来た時に母の手紙を渡すと私は殴られ、蹴られ、ひどい時には抱かれる日もありました。
だけど必死に受け入れ生きていました。
父は農家をやる気が無くなり、私だけで畑や家畜魔物の管理をしていたが、当然、売り上げも激減。
借金が積み重なり。
最後は父は首を吊っていた。
近くにあった遺書は父の字ではない。
……私が父の遺体を下ろして部屋を片付けているとすぐに人攫いが来た。
……抵抗はない。
今までだって抵抗していない。
だって、抵抗してもしなくても時間は流れるのだから……
道中、何があったかは覚えていない。
気がつくと私は33番さんと同じ牢屋に入って移動していました。
私の夢は優しいご主人様に買われる事。
……それは贅沢なのだろうか?
日は経ち……やっと最後の訓練まで来ました。
「あ、32番さんお久しぶりです。」
「久しぶりカロ、34番」
「他のみなさんはまだですか?」
「5番が居ないカロね……それと、おかしなことになってる奴もいるカロ」
「?」
「見ればわかるカロ、あそこのすみで必死に33番が話してる人物カロ」
そう言われ指さしている方向を見ると暗いところに人影が2つ。
近づくとそれは33番さんと35番さんだった。
「何かあったんですか?」
35番さんは試練の終わりごろに入ってきた新人さんで大きな胸はくびれを描き、ピンクの唇が優雅で美しく。
光の加減で輝く金髪は、まるで宝石のような美しさを放ち、無傷の白い肌は触れる者全てを魅了する。
彼女の容姿はまさに完璧な調和と言って良い。
だけど、いつも綺麗な青い瞳には光が宿っていなかった。
…………まるで昔の私の様だ。
いや、むしろこれが正しいのかもしれませんね。
私は奴隷になって初めて仲間を手に入れて初めて妹にしたい人が出来て……私の方が異質なのかもしれません。
「もしもし?35番さん?」
「……」
本当に人形の様だ。
「少し前まではこんな感じじゃなかったカロ」
「一緒に居たんですか?」
「2つ前の試練は一緒だったカロ」
「やっぱりそうとなると1つ前の試練が原因ですね……少し女の子2人だけで話してみたいので良いですか?」
「そ、そうか?わかった」
そういって2人は離れていく。
「さて、と」
目の前に居るのに35番は座ったまま何もない壁の一点を見つめてる。
「35番さん、お久しぶりです」
「......」
「隣座りますよ?」
「......」
返事はないけど隣に座る。
「何かあったんですか?」
「......」
「辛いこと?」
「......」
「私も子供の頃は今のアナタみたいでした」
「......」
「あの時は父に殴られたり、母から熱湯をかけられたり、父に犯されたり……」
少し此方を見た気がする、反応があると言うことは聞いてるのかな?
「私の場合、奴隷になってからみなさん、優しくしてくれて……それが暖かくて」
「......」
「だから......35番さんもきっかけがあれば......」
優しく抱きしめる、頭を撫でる。
「......」
「大丈夫だから、ね?よしよし......」
「......」
そうしてると、マスターの声が聞こえてきました。
{では時間です、これをクリア出来たらみなさんは立派な奴隷ですので頑張ってください}
「あれ?5番さんは?」
その問いはみんな反応しない。
つまり、そう言うことなのでしょうね......
その後、私と35番さんは同じ檻に入れられ。
33番さんと32番さんは二人で別の檻に入った。
その瞬間ガタンっと大きな音が聞こえたと思ったらゴンドラみたいに檻が高く高く上がっていく。
{さぁ、最後の試練です。今あなたたちの前にボタンがありますね?}
すると、牢屋の真ん中にボタンが魔法陣から出てきた。
「これは?」
{そのボタンを押すと相手の檻をこの奈落の底へ落とせます。話し合ってどちらが死ぬか決めてください}
「......え?」
「......」
{さぁ、どちらが天国に行き......どちらが地獄に落ちるのでしょうか!では、制限時間は上に着くまで約三時間。}
「そ、そんな!」
{最終試練、開始です}
私達にとって最低最悪の最後の試練がはじまった。
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