まねえ・げえむ

ハカドルサボル

第1話 ぷろろぐ

 貧乏人。将来、無一文になることが確定した。


 3年後の未来からやってきた自分は、博打、ギャンブル、株、FXで1000万円の借金を作ってしまった。1000万円払えなければ死んでしまう。必死になった未来の自分である彼は、神社にお祈りしてタイムトラベルしてきた。


 彼は言った。


「代わりに1000万円払ってくれ」


「断る!」


 しかし、現実はそう甘くない。


 神社で勝手にタイムトラベルしたため時空警察とやら罰金を納めろと言ってきた。その額、1000万円。計2000万円の借金を背負ってしまった。もし2000万円払えなければ無期懲役が確定する。なんでも勝手にタイムトラベルは、時空警察に軟禁される罪らしい。


「三食ベッドつきの刑務所です。一生過ごしてもらます」


 時空警察の久守機構は厳しい顔つきで、そう告げた。


 残された自分と、未来の彼。時空警察の刑務所は島流しの死刑に等しい。結果、3年後からやってきた貧乏のせいで2000万円の借金を、3年以内に返す羽目となった。


それがこの物語の主人公、推理雨(すいり・あめ)。


 2020年代に初めてタイムトラベルを行った大悪党であり、時空警察に1000万円払えなければ一生を独房で過ごし、また、3年後に1000万円を払えなければ闇金漫画の展開が待ち受けているらしい。計2000万円。


 本当に踏んだり蹴ったりだ。


 こうして17歳の雑魚高校生と貧乏の20歳。同じ二人の借金返済物語が始まった。


 雨と雨。紛らわしいので高校生の雨を、推理雨と呼び、20歳の雨を、未来の彼と呼ぶ。


 久守機構曰く、「他人からお金を借りるのは禁止です。タイムパラドックスが起きてさらに罰金が増えます。自分の力だけで2000万円を稼いでください」


 とのこと。


 いやいや無理じゃね、と自分は思った。だって高校生だし、とも。


※タイムパラドックスのため高校を辞めて働くことは禁止されている。学業に支障が出ない限り、アルバイトはOK

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