けものフレンズ+0
マフティーエリン
第一話 ジャパリパーク開園!
何の変哲のない朝が今日もやってきて、いつものようにお父さんとお母さんと一緒に朝ごはんを食べているけど、僕の気分はうきうきしてる。
だって今日ジャパリパークが開園されるんだもん。試験的なオープンだから一万人限定でジャパリパークの入園券のチケットが販売されたけど運のいいことに当たったんだ。
「お父さん、早くジャパリパークに連れてってよー」
「ええー、ダメだよ。お母さんから夏休みの宿題終わるまで行っちゃダメだって言われただろ?」
「そんなー」
「きちんとやることやってから行く方がいいでしょ、さっさと終わらせちゃいなさい」
「はーい」
渋々そう返事したけど、食欲はあってもやる気はわいてこない。朝食を食べ終えて、学校のプールへ行くことにした。
「おはよう」
「あっ、おはよう」
友達のサトシ君だ、いつもはこの時間には学校についているはずなのに今日はプールバックも持たずにどうしたんだろう
「サトシ君、遅刻しちゃうよ?」
「ああー、今日は行かないんだ」
「何で、風邪でも引いたの?」
「ううん、実はジャパリパークのチケットが当たって今から行く予定なんだ」
「ずるーい、僕も連れて行ってくれよー」
「連れて行ってあげたいんだけど車の座席が空いてないんだよね」
「まあ、楽しんできてね」
「ありがとう、じゃあね」
学校に着いた者の他のクラスの子は動物園なんかに興味がないようで、ジャパリパークといっても何それとしか返事が返ってこない。
帰ってきて、くたくたになって寝てしまった後は計算ドリルをこつこつやったり読書感想文と格闘していたりしていたうちに日記と自由研究を除いて全部終わったみたいだ。
「自由研究、どうしようかなぁ」
ネットで調べてみても、いまいちピンとくるものがないし、人のアイデアを奪うのは何だか嫌だ。あれもだめだ、これもだめだと考えているとお父さんが話しかけてきた。
「アイ、何か悩み事でもあるのか」
「自由研究は何をすればいいのか分からなくて」
「それこそジャパリパークで調べものをしたらいいじゃないか」
「でも、宿題全部終わらせないと行けないから…」
「何言ってるんだ、宿題を終わらせるために必要なのにダメなわけないだろ」
お母さんは夕食の準備をしながら小耳にはさんでいたようで、お父さんが説明するまでもなく夕食を食べ終わったら早速準備してくれるらしい。
「このチケットによると期限は8月31日までだけど…明日行くか!」
「やったー」
「じゃあ準備しないとね、確か飛行機で沖縄についてからジャパリパーク直行のフェリーに乗り換えるから一日はかかったはずよ アイはお泊まり用のバッグに必要なものを入れておきなさい」
「わかった、バッグってどこにあるんだっけ」
「2階の収納棚の上の方よ」
「わかった」
なかなか見つけられずにいると色鉛筆とスケッチブックが入ったショルダーバッグを見つけた。いつもは撮った写真を見ながら描いているが、これを背負って野外で絵を描くのも悪くなさそう。その後はきちんとお泊り用のリュックを見つけて、着替えの服やお菓子を詰め込んだ。
一階へ降りてみると、
「どうしたんだ、そのバッグは」
「リュックを探していたらたまたま見つけて」
「似合ってるよ、昔の俺を思い出すなぁ」
「お父さんは昔何やってたの?」
「アイと同じように小学生だった頃、友達と一緒に自転車で動物園とか水族館を回りながら絵を描いていたんだ」
スケッチブックを開いてみると何枚か破り取られた跡があって、少なくとも何か描いていたことは間違いなさそうだ。
「お父さんの絵、見たーい」
「おばあちゃんが大切に保管してるからここにはないよ」
「そうなの?子供の絵ってそんなに大事なものなのかな」
「一生残る思い出だからね、大切にしたくなるものだよ」
夕食はハンバーグだった。いつもなら喜ぶのに今日はなんだかそこまでわくわくしないや、でもやっぱり美味しい。
「じゃあ明日は早起きしなきゃいけないから早めに寝ないとね」
「はーい」
次の朝
楽しみでよく寝られなかったけれど、どうせ移動中に眠っちゃうからいいや。階段を降りると、お母さんがなかなか起きずにお父さんが朝ごはんを作っていてくれていた。
お父さんの話によると、電車に乗って羽田空港へ向かいおよそ3時間で沖縄へ到着。そこからはジャパリパーク行きのフェリーに乗っておよそ11時間で着くみたいだ。初めての飛行機、怖いけど楽しみの方が勝っている。
そのうち心配性なお母さんが起きて最終確認としてまた飛行機のチケットとジャパリパークの入園券はあるかなど確認して、ついに家を出る時間がやってくる。
「それじゃあジャパリパークへしゅっぱーつ!」
「お、おー!」
電車に分揺られていつの間にか、羽田空港国内線ターミナル駅に着いており電車を降りて、エレベーターで昇ると大きな窓の外にはバスが小さく見えるほど大きな飛行機がたくさん見えた。
「あんなに大きな乗り物に乗るの?」
「そうだよ、ジェットエンジンというもので加速して大きな翼で浮いて離陸するんだ、ほらあれ見てごらん」
お父さんが指で刺した先には今にも離陸しそうな飛行機があって、轟音が上げながら空高くへ上っていった。
「すごい」
飛行機の中は実家に帰省するときに乗る新幹線にどことなく似ている。違うのは
涼しく快適な機内から降りると今まで体験したことがないような暑さに襲われた。
「暑いねー」
「さすが沖縄だね」
歩いていく予定だったがたまらずタクシーを呼んで港へ向かうとシロナガスクジラ号と書かれた大型のフェリーが停泊していた。乗るためにはジャパリパークの関係者であることを示す物か、ジャパリパークの入園券を見せなければならないらしい。
僕たちはもちろん関係者ではないので入園券を見せて渡された船内案内書と僕たちが自由に使っていい個室が書かれたメモを手渡された。
「ただなんてすごいわね」
「チケット代に含まれてるんじゃない?」
「そうかもね、それにしてもいい眺めね」
「うん、ずっと見ていられそうだよ」
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