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「両親と過ごした思い出の家は確かに大切だし、この家に雄くんが一緒に住んでくれることはとっても嬉しいの。だけど私はこれから先、両親じゃなくて雄くんと人生を歩んでいきたいから。だから、私たちに合ったライフスタイルを築き上げていきたいって、そう思っていたの。」
少しハニカミながら一生懸命気持ちを伝える琴葉に、雄大は思わず抱きしめたい衝動に駆られて手を伸ばした。
だが、次の琴葉の言葉で動きがピタリと止まる。
「それでね、あの、設計士の雄くんにこんなことを言うのはどうかとも思ったんだけど。」
「うん?」
「そのリノベーション、杏奈さんにお願いしたいなって。」
「杏奈に?」
「杏奈さん、今リノベーションを担当する部署で働いてるんだって。まだ実績はそれほど多くないみたいなんだけど、いろいろ話を聞いていたらすごく興味が出て来て。」
意気揚々と話す琴葉に反比例して、雄大のテンションはどんどんと下がっていく。
「ふーん、杏奈とずいぶん仲良しなんだな。」
「うん!すごく仲良し!連絡先も交換しちゃった。」
ニコニコ顔の琴葉に、雄大は思い切り不満顔になった。
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