7編

過去の世界に来てから数日が経った。

私達4人はレベルも10まで上がり、

能力的にもだいぶ強くなった。

スライムやゴブリンなら一撃で

倒せるようになったし、

少しフィールドを探索して

他のモンスターとも

戦うようになっていた。


「私達も結構強くなって

きたんじゃないかなー?」

「そうだな。最近は他の

モンスターとも戦えるようになったし、

レベルも上がったよな。」

「これなら順調じゃない?

スライムやゴブリンが

雑魚に見えてきたわ(笑)」

美春、雷太、麗華も自身が

強くなったことを

実感しているようであった。


「でも油断は禁物だよ?

まだ美春は回復魔法しか使えないから、

蘇生は出来ないし

死んだら終わりだからね。」

「はーい。」

気の抜けた返事が聞こえてきた。


そんな会話をしている最中、

1匹のスライムが

目の前に現れた。

「スライムじゃない。

私達なら一撃で倒せるものね。」

「じゃあ俺が倒すとするか。」


雷太がスライムを倒そうとしたその時、

スライムが私達のレベルに恐れを為して

逃げ出そうとした。

「あ!待てっ!」

追いかけようとしたが、

信じられないことにスライムの目の前に

扉が現れ、中に吸い込まれて

いってしまった。


「え…。何あれ。逃げ出したと思ったら、

扉の中に消えていったんだけど…。」

「あんなこと初めてだな。

あのスライムはどこへ行ったんだ?」

「スライムごときが生意気ね!

気にしないで次行きましょ!」


「皆、ちょっと待って!

今の扉って私達がくぐってきた扉と

同じものじゃなかった?」

私がそう言うと、

「確かにそうかもな…。

ということはあの扉は

俺達がいた現在に

繋がっているってことか?」

「えー!それって私達が

元の世界に戻れるってこと?」

「それなら早く帰りたいわ。

さっきのスライムみたいに

逃げ出したモンスターを追いかければ、

戻れるんじゃない?」


「確かにさっきのスライムみたいに

逃げ出したモンスターを追いかければ、

私達の元いた世界に

帰れるかもしれないよね…。

試してみる価値はあるかもしれない!

じゃあさっきみたいに一撃で

倒せるモンスターと片っ端から遭遇して、

逃げ出そうとしたら私達全員で

その扉をくぐろうか!」

「了解!」

3人が賛成してくれた。


そして、私達は元いた世界に帰るために

片っ端からスライムと戦い、

ようやく逃げ出そうとしたスライムを

見つけて扉が開く瞬間を狙って

待ち望んだ現在の世界に戻って行った。


しかし、私達が過去の世界に来る前の

平穏な現在の日常はモンスター達に

支配されていたのであった。

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