3編
「まず私達の紹介から始めるわね!
私は魔剣の精霊よ。魔法と剣の力を
支配しているわ。魔法には属性があって、
火・水・風・土・光・闇があり、
私は火・水・風・土の力を使えるの。
剣の力と融合させて、魔剣の力を
強化することもできるわ。
この仏頂面が剣守の精霊ね。」
「仏頂面とは失礼だな!俺は剣守の
精霊だ。剣と盾の力を支配している。
味方を盾で守りつつ、力強い剣さばきで
ダメージを与える力を与えることが
出来るぞ。」
「はいはい!次は私の番ね!
私は魔僧の精霊よ。攻撃魔法と
回復魔法の力を支配しているの!
魔法属性は光と闇で、回復魔法は
回復だけでなく蘇生も可能なの!」
「ふんっ!アンタたちに紹介するのも
癪だけどしょうがないわね…。
私は魅惑の精霊。相手を魅了して
痺れさせたり眠らせたり、混乱させたり
する力を支配しているわ。
状態異常だけでなく、
踊りの舞の力で攻撃もできる。
これでいいの?」
「オッケー!次は精霊の加護について
説明するわね!戦闘時は精霊が宿ることで、
力を得て戦闘モードになるの。
私もまだ新米精霊だから詳しくは
知らないんだけど、何かしらの条件を
満たせば、無双モードになるらしいわ。
精霊の加護で敵の一撃で死ぬことは無くて
HP1になるんだけど、この状態でさらなる
攻撃を受けると死ぬみたい。
蘇生は賢者のみ出来るけど、
賢者が死ぬと全滅の危機に瀕するってことね。」
魔剣の精霊は
疑問点ばかりだ。
「精霊とか言っても信じられないんだけど。」
「魔法の力とかすごいね!使ってみたい!」
「馬鹿臭いな…。相手にする必要ないだろ。」
(麗華、雷太がそう言うの無理ないよね。
私も信じられないし。美春は
言ってるけど…。)
「で、その精霊たちが私達と
どういう関係があるの?
私達はこの街でまた平穏に暮らせれば、
それでいいんだけど。」私がそう言うと、
「残念ながらそうはいかないんだよね…。
貴方達も見たでしょ?モンスターを。
私達は異次元空間を行き来してるんだけど、
時空の歪みで突如、過去・現在・未来に
モンスターが大量発生しちゃったの。
私達の力ではどうにもできなくて…。
お願いっ!私達が助けてあげたお礼として、
モンスター達を退治してほしいの!
それに…。言いにくいんだけど、いつもは
異次元空間を自由に行き来できるんだけど、
何らかの原因で私達の力では異次元空間の
扉が開かなくなってしまったの…。
だから、この過去の世界でしばらく
モンスター退治してほしいの。」
「あの変な生物ってよくゲームとかに
出てくるモンスターだったのか?
信じられないな。」
「え!ここって過去の世界なの?
しかも、元の世界に帰れないってこと?」
「モンスター退治とか、何で私達が
やらなきゃいけないのよ!
早く帰しなさいよ!」
雷太・美春・麗華が三者三様に
意見をぶつけている。
(私は…。諦めてこの状況を
受け入れるしかないのだろうか)
「貴方達、精霊とやらが言ってることは
分かんないことも多いけど、私達は
しばらくは元の世界に帰れないってことよね?
それならまたモンスターの被害に遭いたくないし
仕方ないから退治してやるわよ。」
「おいおい!胡桃!この変な生物達のこと、
間に受ける気かよ!」
「胡桃ちゃんが言うなら、
そうするしかないのかも…。」
「胡桃!冗談も休み休み言いなさいよね!」
雷太・麗華が反対するのも無理はない。
「でも放っておくと、私達またモンスターに
襲われて死ぬんだよ?」私がそう言うと、
「確かにな…。ただ黙って死ぬのを
待つより戦うのが賢明かもしれない…。」
「ちょっと!雷太まで胡桃の意見に
従うっていうの?」
麗華が凄い剣幕で睨みつけている。
「じゃあお前だけ残ってればいいじゃないか。
ただし、モンスターに襲われて死ぬのが
オチだぞ?」
「っ!分かったわよ!
付いていけばいいんでしょ!」
麗華が折れてくれた。
「これで4人ともモンスターとやらと
戦う気になったわよ。それで?これから
どうすればいいの?」
「胡桃ちゃん!私達のお願いを聞いてくれて
ありがとう!でもね、しっかりと準備を
整えないと命の危険に
これからのことキチンと説明するね。」
(戦うとは言ったものの、前途多難な
道しか見えないのは気のせいだろうか…。)
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