第22話  大阪吉村知事VS 西村経産省大臣

最近テレビを見ていると、大阪吉村知事と西村経産省大臣のバトルを目にします。


それは国側が、五月六日までの緊急事態宣言を五月末まで延長するとしたことに由来致します。


吉村知事は緊急事態宣言を延長するのであれば、「何故延長するのかという理由とその数値的データ、そしてどうなれば緊急事態宣言が解除されるのかという出口戦略を具体的に明示してほしい」と国に要望いたしました。当然それはセットで考えるべきものだと思います。


しかし国は緊急事態宣言を延長するにあたっての出口戦略を明示することができませんでした。現状を鑑み取敢えず延長はしたが、その後はこれから考えようという緊張感に欠けた政策のように感じます。(出口戦略は緊急事態宣言延長を決めた一週間後に発表するというスピード感に欠けたものでしたが、本来延長を決めた時には出口戦略もなければならないと思います)


吉村知事は国の緊急事態宣言の出口戦略をベースに府の自粛要請解除案を策定しようとしていましたが、国が緊急事態宣言の出口戦略を明示しないのであれば、府の自粛要請解除条件は大阪独自に策定するしかないとしました。


そして直ぐに策定して発表致しました。とてもスピード感があります。


それに対して西村大臣は、自粛要請は知事の権限において知事が出したものなので、解除も知事の権限においてするのは当然で説明責任も知事にあります。一方(緊急事態宣言の)出口戦略は知事ではなく国の専権事項です。知事がとやかくいうことではありませんとしました。


更に吉村知事に勘違いをしているのではないかとまでいい放ちました。それは都道府県と国との法的役割分担についてのことをいっているのでしょう。

それはそのとおりです。だけど一般人が公平に分析してみると、勘違いをしているのは西村大臣の方のような気がします。


最初から吉村知事は「緊急事態宣言を延長するのであれば、解除する時の出口戦略も国で明示してほしい」と言っています。


国の緊急事態宣言の解除条件は、都道府県の自粛要請解除条件にも少なからずリンクするからです。


国の緊急事態宣言の解除条件が明示されないので、大阪府の自粛要請解除条件は独自に策定するということです。


テレビのコメンテーターの意見も吉村知事が正しいとか、いや西村大臣が正しいとか、法的にはこうだなどと側面的なことばかり言っているように感じます。


率直に私が感じた今回の騒動の内容は次の通りです。


吉村知事は国に緊急事態宣言を延長するのであれば出口戦略もセットで提示してほしい。それを規準として大阪としての自粛要請解除の指針としたい。しかし国は提示出来なかった。

それなら自粛要請解除の出口戦略は大阪独自に策定するしかない。

それなのに西村大臣は緊急事態宣言の出口戦略は国が決めることで、大阪が決めることではない。一方自粛要請は知事がされたのだから解除の指針は知事が決め、その説明責任は知事にあると当たり前のことを言って反論いたしました。論点のすり替えとしか見えません。


もともと自粛要請ですら知事の権限と言いながら国が介入し、知事がしようとした要請内容を変更させたという事実があります。(東京都で現実にありました)それは国と協議の上に決定することというのが法的根拠といわれますが、それなら解除も国に介入される可能性が大です。それなのに自粛要請は知事の権限だからそれを国に指針を求めるのは筋違いというのは、とても矛盾を感じます。


私は別に特定の政党支持者ではありません。ただ、コロナによる自粛生活の中でテレビを見ていて率直に思ったことを述べさせて頂きました。

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