すれ違い

世間の音域からはぐれた僕は

やっぱりどこか すれ違ってる


肌に受けた陽光の痛みが

虹色の体温に焼き付いて離れない


暗がりの欲望にまわる灯が

空を切る電線の顔で澄ましても

僕の本能は逃げようとしない


夢の針で掘り返してみたんだ

赤い血の跡を

夜に呼び止められたまま

いた硝子ガラス

空っぽの花瓶のそばでね


僕の叫び声に僕はいたのか

君の優しさに僕は泣いたのか

それが今でも分からない

分からないまま僕は

やっぱりどこか すれ違ってる

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