闇、そして光
ある☆ふぁるど
第1話
彼は暗黒の世界をさまよっていた。長い間。輝くもののない空と、暗く歪んだ大地との狭間で、彼はとまどっていた。前も見えず、後方を振り返っても何もない。ただ広がる闇。
「一体、いつから・・・」
この世界は変わってしまったのだろう? 彼は記憶をたどり、過去へとさかのぼっていく。そうだ、かつての大地は光に満ちていた。空にはまぶしいばかりの太陽がさんさんと輝き、彼も、そして仲間たちも、自由に空間をかけめぐり、空に向かって羽ばたいていた。
「なのに・・・」
今は闇しかない。みんなどこへ消えてしまったのだろう? 彼らもまたこの暗黒の中で、互いの姿も見いだせずにさまよっているのだろうか。いや、もしかすると、彼らはあのまま光の中にいて、自分だけがその世界から放り出されたのではないだろうか。
「だとしたら・・・」
あの世界へ帰らなければ・・・と、彼は思った。焦燥があった。早く、一刻でも早く、この闇から抜け出さなければならない。
しかし、闇は果てしなく、どこまでも続いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます