第38話 二月の空

二月の空は私から何もかも奪い取って行く

夕暮れ時の三日月を眺めながら

日に日に寒さが薄れていく日々

私はなす術を知らない


二月の空は果てしなく寂しい

三月になったら諦めもつくのに

あなたといられる日をカウントダウンしていけるから

しかし今はなんと中途半端なのだろう

途方に暮れるしかない


二月の空など見たくもない

そう思ってみたところで

どうにもなりはしない

やがて三月はやって来る

私を凍りつかせるために


春などこなくていい

寒いままでいいのに


二月の空はあの人をどこかへ連れて行ってしまう

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