第37話 いつもの風景

家に帰る時は

いつも暗くなっている

ささやかな夜景

この道も私をどこにも連れて行ってはくれないと

わかっていながら

それでもどこかへ行かれる気がする

来月になったらこの道を通って南東へ行き

用がすんだら北西へと戻る

簡単なことだ

南東と北西とを行ったり来たり

何度も繰り返すうちに

何が溜まっていくのだろう

何を残すことができるのだろう

そして

この夜景のもとに住む人々は

私のことなど

誰も知らないのだ

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